酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
激しい首位打者争いの意外な盲点。
打率を上げるには打数を減らせ?
posted2017/08/19 09:00
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Hideki Sugiyama
なぜこんなにクソ暑いのに、野球をするのか? 日本人はどうかしたんじゃないの? と言いたくもなるが、甲子園もプロ野球も連日熱戦が続いている。昨今は「野球離れ」への危機感が叫ばれるが、それでも日本の大人は野球が好きなのだ。
この時期のプロ野球でペナントレースとともに目が離せないのは、各タイトル争いである。今年は、両リーグともに首位打者争いがヒートアップしそうな様相だ。
私は小さいころから新聞の「打率ランキング」を見るのが好きで、小1の頃に割り算はそれで覚えた。このままいけば数学の秀才になったかもしれないが、そこからは一向に進歩しなかった。高校の数学のテストで一問も解けず「すいません、すんません、すまんこって、すまんですたい、すまんでごわす、すまんぞーい」と日本全国のお国訛りで謝りつつも、赤点をもらったりしたのだが。
1位と2位の差.00006という首位打者争いもあった。
それはともかく、首位打者争い、バットマンレースは単純に人の心を躍らせるものがある。NPB史上、僅差の首位打者争い5傑は以下の通りだ。
<1. 1976年セ・リーグ 打率差.00006>
1位 谷沢健一(中) 496打数176安打 打率.35484
2位 張本勲(巨) 513打数182安打 打率.35478
<2. 1991年セ・リーグ 打率差.00024>
1位 古田敦也(ヤ) 412打数140安打 打率.33981
2位 落合博満(中) 374打数127安打 打率.33957
<3. 1991年パ・リーグ 打率差.00040>
1位 平井光親(ロ) 353打数111安打 打率.31445
2位 松永浩美(オ) 484打数152安打 打率.31405
<4. 1948年(1リーグ時代)打率差.00044>
1位 青田昇(巨) 569打数174安打 打率.30580
2位 小鶴誠(急映)429打数131安打 打率.30536
<5. 1956年パ・リーグ 打率差.00046>
1位 豊田泰光(西鉄) 529打数172安打 打率.32514
2位 中西太(西鉄) 462打数150安打 打率.32468