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ボルトのスパイクは出身高校の色。
立場は変わっても、郷土愛は消えず。 

text by

及川彩子

及川彩子Ayako Oikawa

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photograph byAFLO

posted2017/08/04 11:00

ボルトのスパイクは出身高校の色。立場は変わっても、郷土愛は消えず。<Number Web> photograph by AFLO

ボルトの走りが見られるのは、今度こそ本当に最後。本人はリラックスしているが、見ている側が先に感極まってしまいそうだ。

ボルトは変わった、しかし故郷への愛は消えていない。

 自分がしてあげたことに何か返してほしい、と言っているわけではない。学校に顔を出して、メダルを見せたり、陸上部の後輩を励ましてくれたら……と、コーチはそんなささやかな願いをもっているが、その選手からは何のオファーもないという。しかし、この選手が特別なわけではなく、ジャマイカでは似たような話を多く聞く。成功した瞬間、過去も恩義も捨ててしまう選手の話を。

 世界を熱狂させた北京五輪から9年、ボルトは変わった。しかし変わらずに故郷や母校を愛する気持ちを持つボルトも確かに存在する。

 ボルトはロンドンの地で選手人生の幕を閉じる。8月5日に100m、12日の400mリレーが最後になる。故郷への思いを胸に、どんな走りをするのか、最後にどんなパフォーマンスを見せるのか楽しみにしたい。

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『四継 2016リオ五輪、彼らの真実』

2016年8月に開催されたリオデジャネイロ五輪。ウサイン・ボルト率いるジャマイカ代表との真っ向勝負の末に、四継(男子4×100mリレー)で日本代表チームが史上初の銀メダルを獲得した。そこには、日本の伝統であるバトンパスを進化させてきた日々があった。「10秒の壁」を越えようと、選手同士がプライドを懸けて競ってきた日々があった。桐生祥秀、山縣亮太、ケンブリッジ飛鳥、飯塚翔太--偉業を達成した4選手をはじめ、コーチ、スタッフ、他の関係者までを4年間追い続けた筆者が綴る「チーム・ジャパン」のリオでの真実を描いたノンフィクション。

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