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J1で最も“コスパ”がいいのは磐田!
費用対効果で見るJ1、J2の経営力。
posted2017/07/25 08:00
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
Yuki Suenaga
プロスポーツとお金は、切り離すことができない。
サッカーなら個々のプレーヤーの技術、体力、メンタルタフネス、個人戦術、チームとしての戦術とメンタリティなどが勝敗を決定する要素となるが、それらの背後で見え隠れするのはお金である。
個人的な資質の高い選手を集めるのも、経験や実績のある監督を招へいするのも、相応の資金が必要だからだ。
Jリーグ各クラブの2016年度の経営情報が、先ごろ公開された。そのなかからチーム人件費に着目し、各クラブの費用対効果をチェックしてみたい。
2016年度の人件費トップ5は、1位が浦和レッズ、2位がヴィッセル神戸、3位がFC東京、4位が名古屋グランパス、5位が横浜F・マリノスとなっている。
ルヴァンカップ制覇とシーズン最多勝点を記録した浦和は、人件費に見合った成果をあげたといえる。その他の4チームは、費用対効果に物足りなさを残した。神戸は第2ステージで2位に躍進したものの、年間順位では7位に止まる。FC東京は年間9位、横浜FMも10位だ。
リーグ4位の人件費で降格した名古屋は……。
名古屋にいたっては、クラブ史上初のJ2降格である。数年前から低迷の予兆はあり、'14年はリーグで3番目に多い人件費で10位に留まり、'15年は2番目の人件費を投じながら9位に終わっていた。2010年のリーグ優勝をピークにチームが過渡期に差しかかっていったとはいえ、人件費が結果に結びついていない。若手や中堅が続々と育っているわけでもないので、投資目的だったとしても成果に疑問符がつく。
ちなみに、'16年度の名古屋の人件費は、同年のJ2リーグで人件費下位の7チームの合計を超える。J2降格で人件費が5億円減ったとしても、'17年のJ2では間違いなくトップだ。人件費を物差しにすれば、1年でのJ1復帰は必ず果たすべきミッションと言ってもいい。
'16年のJ1年間王者となった鹿島アントラーズ、年間勝点2位の川崎フロンターレ、同4位のガンバ大阪らは、年間順位が人件費のランキングを上回る。リーグ10位の人件費で6位となったサンフレッチェ広島も、費用対効果という視点では悪くない成績だ。