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日本代表で唯一の大学生・野口竜司。
JJが名指しで評価した男のラグビー脳。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byTakuya Sugiyama
posted2017/06/28 13:40
アイルランド戦、日本代表に大学生は1人しかいなかった。2019年W杯の先を担う中心が野口竜司であることは間違いない。
フィジカル面の劣勢を補うことがテーマの1つ。
レベルアップの欲求は尽きない。ゲームを振り返っていても、気が付けば自らの課題を口にしている。
「自分としては判断をもっと早くすることと、プレーのオプションをもっと増やすのが重要になってくると思います。もっと余裕があればいい判断ができたんですけれど、アイルランドとの第2戦はちょっとプレッシャーがかかったなかで、焦って判断をしてしまった。そこは次にまた試合があったときに、修正できるようにチームに戻って練習をしていきたいです。フィジカルの部分でも、まだまだ足りない部分がありますし」
フィジカル面の劣勢をどのように補うのかは、コンタクトスポーツでは避けて通れないテーマである。野口自身も「大学にフィジカルの強い選手もいるので、自分のなかで最善の練習をしていきたい」と肉体強化をテーマに掲げる。
「自分を生かすよりも、周りを生かすことで」
そのうえで、フィジカル面の劣勢という事実を幅広い視点でとらえる。177センチ、80キロの21歳は、しなやかな思考回路の持ち主だ。
「フィジカルの差を埋められるのか、埋められないのかという考えではなくて、そこはちょっとした速さとか技術も大切だと思うんです。僕自身は日本代表というチームのなかで自分をどう生かすということよりも、周りを生かすことにフォーカスを当てています。そのためには、いま僕が足りないと感じている部分──。
スピードであったり一瞬の判断だったりが、すごく重要になってくる。そういう部分は、もっともっと伸ばしていかないといけないなと思っています」
次の国際試合は、11月のオーストラリア戦とフランス戦だ。2019年のワールドカップへ向けた強化に、これからも加わっていきたいとの思いは強い。
「日本代表に呼んでいただいて、試合に出させていただいたなかで、自分に足りない部分をすごく感じました。ただ、11月に向けて足りない部分をクリアにできたら、もっと良くなるという思いもすごくある。そこはチームに帰って、自分がどこまでできるかが重要になってきます」
若手と呼ばれる選手の台頭は、組織を活性化する。アイルランドに力の差を見せつけられたいまだからこそ、野口の存在は頼もしい。