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宇賀神友弥、「やっと」掴んだ代表。
原口を手懐けた男に怖いものはない。 

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杉園昌之

杉園昌之Masayuki Sugizono

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photograph byAFLO

posted2017/06/13 07:00

宇賀神友弥、「やっと」掴んだ代表。原口を手懐けた男に怖いものはない。<Number Web> photograph by AFLO

もしかすると宇賀神友弥は、代表で最もベンチが似合わない選手の1人かもしれない。出場機会は得られるか。

ストッパーも、サイドバックも「問題ない」。

 浦和ユースから大学を経由し、古巣に「復帰」する初めてのケースとなったが、プロ入り後も順風満帆ではなかった。3年目で出場機会が激減し、フットボーラーとして生き抜く方法を模索する。

 コーチ、先輩らの助けを得て、監督の求めていることを頭で整理することから始めた。そして、オフザボールの動き、連係プレー、コーチングなどを見直すことで、定位置を確保していく。今では戦術理解度の高さには自信を持っている。

 年齢を重ねるごとにひと回りも、ふた回りも成長してきた。昨季は槙野智章の代役として3バックの左ストッパーを経験。今季は森脇良太の代わりに右ストッパーでもプレーし、アルビレックス新潟戦では右足クロスでアシストまでマークした。

「もともと右利きだし。またプレーの幅が広がった」とニヤリ。ハリルホジッチ監督も両サイドをこなすことを評価している。センターバックまでそつなくこなし、いまやユーティリティープレーヤーと言ってもいい存在になった。

「頭を使ってプレーすれば、問題ない」

 代表では慣れない4バックの左サイドでの起用が想定されているが、ストッパーの経験も生きると話し、システムの違いは気にも留めていなかった。

「そこまで(アウトサイドと)変わらないし、問題なくやれる。代表のやり方もすぐ覚えたい。そこは得意なところ。少し人見知りだけど、ピッチの中で周りに合わせてプレーするのは持ち味なので」

いくつもの山を越えてきた。目の前には、長友佑都。

 自信を持って代表へ合流した。6月7日、テストマッチのシリア戦はデビューこそお預けとなったが、ベンチから冷静に戦況を見つめて、イメージを膨らませていた。

「もし僕が入れば、もっと高い位置を取った。前に出ていくタイミングも、ここなら行けるとかね。ミシャ(ペトロヴィッチ監督)のサッカーで培ったものがあるので」

 同じ左サイドバックとして、立ちはだかるのはイタリアのインテルで活躍する長友佑都。いくつもの高い山を越えてきた男は、また考えている。どうすれば、代表で生き残れるのか。選ばれただけでは、満足していない。シリア戦後も「少しでも出たかった」と悔しさをにじませていた。

【次ページ】 原口を手なずけた宇賀神に、もう怖いものはない。

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