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伊藤壇と考える、日本代表の伸びしろ。
沸騰するアジア・サッカーの現場から。

posted2017/06/13 11:30

 
伊藤壇と考える、日本代表の伸びしろ。沸騰するアジア・サッカーの現場から。<Number Web> photograph by Eiji Yoshizaki

今までプレーした国の地図を広げて説明してくれた伊藤。サッカー選手という枠を越えた、大きな存在感のある人物だ。

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吉崎エイジーニョ

吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki

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Eiji Yoshizaki

 日本代表がアジア勢と真剣勝負する。この時期にこそ、この人と話してみたい。そんな思いがずっとあった。

 伊藤壇(いとう・だん)、札幌出身の41歳。アジアにおける20の国と地域でプレーしたプロサッカー選手として知られる。6月8日にはTBSの旅番組『クレイジージャーニー』にも出演した。

 '99年にベガルタ仙台を退団後、こういった国々を渡り歩いてきた男だ。

 シンガポール、オーストラリア、ベトナム、香港、タイ、マレーシア、ブルネイ、モルディブ、マカオ、インド、ミャンマー、ネパール、カンボジア、フィリピン、モンゴル、ラオス、ブータン、スリランカ、東ティモール。

 そんな彼に、サッカー選手としての“自己主張”について聞いてみたかった。

 今回の国際Aマッチデーに先立って、ハリルホジッチがこんな発言をしていて気になったからだ。

 初招集のDF三浦弦太(ガンバ大阪)についてだ。

「パワー、テクニックがあり、しかもしゃべることができる。この年齢で、全員に話し掛けることができる。こういった強いキャラクターが必要だ。この日本代表が、もう少し発展してほしいというメッセージでもある。(中略)若い選手は経験のある選手をリスペクトし過ぎなのかなという点は気になっている」

 もっと喋れ、と。

 またか、と思った。ハリルホジッチがずっと日本の選手に指摘し続ける“弱点”だ。

ハリルホジッチ監督「返事はいいから、まず実行しろ」

 この問題、実は根深い。今年1月に放映されたNHKドキュメンタリーでは“ワールドカップ最終予選を勝ち抜くためにまず着手したこと”としてこの点を挙げていた。

「日本にはおとなしい選手が多すぎる。紅白戦でまったく話さない選手もいるのです。私は彼らにコミュニケーションの重要性を説きますが、彼らは『分かりました』というだけで、何も変わらないんです」

「最近では返事はいいから、まず実行しろと言っています」

「試合中に励まし合ったり、危険だぞと注意しあったりすることはとても大切なこと」

「特に若い選手は自信がないのか、話さない。本田はコミュニケーション能力の高い方です。でももっと話してほしいと思う。吉田、長谷部、岡崎といった選手ももっと周囲の選手に話しかけてほしい」

“海外から観る日本人像”の象徴でもある。

 難しい点だ。

【次ページ】 欧州出身監督から「もっと意見を」と今でも言われる。

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