Sports Graphic Number SpecialBACK NUMBER
<前監督が語る日本の可能性>
ハビエル・アギーレ「W杯出場権獲得は当然だろうね」
text by

豊福晋Shin Toyofuku
photograph byToru Morimoto
posted2017/06/13 06:00

日本代表は着実に成長している。
3月のワールドカップ予選の試合を見て、私は確信した。
この5月まで、私はUAEのアル・ワフダで監督をしていたから、UAE代表については熟知している。代表チームには私のチームの選手もいたし、この国のサッカーは急成長を見せている。それは昨年9月のワールドカップ予選で日本に勝ったことからもお分かりだと思う。
しかし日本は力の差を見せつけた。個々の技術、チーム戦術、それぞれの選手の所属クラブでの経験値を考えても、日本はUAEを大きく上回っている。アジアの中でも1、2を争うレベルだろう。日本の選手達が躍動する姿は、個人的にも嬉しかった。
UAEとの試合は、本当は現場のアルアインまで見に行こうと考えていた。しかしアル・ワフダの練習スケジュールが合わず、結局断念せざるをえなかったのは残念だった。久しぶりに日本代表の試合を生で見られる機会だったし、選手たちともいろいろと話がしたかった。吉田麻也はわざわざ私に連絡してくれて、チケットを準備するからぜひ見に来てくださいとまで言ってくれたんだ。他の何人かの選手もこれまでにコンタクトを取ってくれた。
過去の監督に対して、このような対応を見せてくれる選手など、なかなかいないものだ。しかも私の場合は途中で代表監督を退いたわけだから、日本代表を率いていたのは実質的には半年と少しだ。それにもかかわらず、良好な関係を保てているという事実は、ひとりの指導者として光栄なこと。選手と監督としてだけでなく、人間としても関係を築けたことは大きな喜びだ。
こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
ウェブ有料会員になると続きをお読みいただけます。
残り: 2276文字
ウェブ有料会員(月額330円[税込])は、この記事だけでなく
NumberWeb内のすべての有料記事をお読みいただけます。