酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
WBCに出た年の成績は下がる、のか?
松坂大輔は暴落、マー君は24連勝。
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKyodo News
posted2017/04/20 16:00
WBCで打ちまくった小林誠司は打率1割台と低迷中。菅野智之はきっちり立て直してきた。WBCの影響は選手にもよるが……。
松坂は2度目のWBC以降、規定回数に達していない。
ウィリスは2003年ナ・リーグの新人王。足を高く上げるハイキック投法。D-トレインというニックネームで人気となる。しかし2006年のWBCを境に成績が急落。29歳でメジャーのマウンドを去ることとなった。
松坂大輔は2度目のWBC以後は一度も規定投球回数に達することなく今に至っている。
大隣憲司は、WBC以後の4年で28試合しか投げていない。2013年に黄色靭帯骨化症という難病を発症したからでもあるが、結果的にWBCを境に成績が大きく変化している。
WBCは確かに面白い。レギュラーシーズンと比べても緊迫の度合いが違う。投手はじめ選手の入れ込み方も明らかに違う。プロの経験を積んだ一流選手たちが、高校球児のようにプレーするのは素晴らしい。
しかしそれだけに、大きなリスクも伴っている。本来ならキャンプ中の時期に大きなプレッシャーがかかる真剣勝負に挑むのだ。特に、投手は肩、肘に過度の負担がかかる可能性もある。
WBCは今や国際大会として野球ファンの間に定着しつつあるが、これからも続けるためには、一部の選手に過大な負担をかけないためにも開催時期や期間などを見直す必要があるだろう。