炎の一筆入魂BACK NUMBER
37歳・石原慶幸vs.29歳・會澤翼!
広島を牽引する2人の熱血捕手。
posted2017/04/20 11:00
text by
前原淳Jun Maehara
photograph by
Kyodo News
ユニホームの左腕に輝く優勝エンブレムがまぶしい。前年王者の広島は4月中旬、15試合を終えた時点で11勝3敗1分けという好スタートを切った。
焦点だった黒田博樹氏の穴を埋めようと、若手投手陣が奮闘を続け、打線が盛り立てる――。
今季の広島は勢いだけではない。
昨季優勝した自信を持って、地に足をつけて戦っている。その陰には、2人の扇の要の存在がある。
現状のローテーションでは、野村祐輔と岡田明丈、ドラフト1位加藤拓也のときに石原慶幸がマスクを被り、大瀬良大地、九里亜蓮、ドラフト3位床田寛樹のときには會澤翼がマスクを被る。分業制でそれぞれが、投手陣のいいところを引き出している。
石原と會澤、ふたりの捕手がチームを熱くする!
ベテラン石原は新人加藤と初めてバッテリーを組んだ4月7日ヤクルト戦(マツダスタジアム)で、直球がまったく入らないイニングがあるほど荒れた内容でも9回1死まで無安打無失点に導いた。
會澤も負けていない。急成長する九里に、復活を期す大瀬良、新人床田。三者三様の個性をうまく引き出している。
ここまでほぼ先発マスクを分け合う石原と會澤。捕手力の高さがチームに安定感を与えている。
インサイドワークに定評がある石原と比較される會澤には、リードに厳しい意見が聞かれることもあった。リードに絶対はないものの、雑音は自然と耳に入る。ただ、それは若い捕手が正捕手へ成長するために、通らなければいけない道なのかもしれない。
石原、會澤とともにプレーし、現在は二軍バッテリーコーチを務める倉義和も「そりゃ若いときは失敗もある。捕手は試合に出て覚えるしかない。そういう外野の声は経験を重ねていけばなくなるもの」と話していた。