“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
久保建英は同世代の強烈な刺激に。
平川怜、監物拓歩らが見せた競争心。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2017/04/12 17:00
久保建英の登場によって大きく注目が集まるユース世代。その舞台で活躍を見せれば、早くも脚光が当たることになる。
久保という一番身近なライバルに刺激を受けながら。
この試合で彼のスプリントの回数は多かった。常に周りを見て状況を確認し、行けると判断をしたら、迷わず前線まで飛び出していた。
さらに「U-20日本代表で活躍している久保選手の存在は刺激になっているか?」という質問が飛ぶと、「自分の中でかなりそこは刺激になっています。でも久保選手はU-20のレベルの選手であることは日々のプレーで証明をしているので、あれくらいやらないと自分にはチャンスが無いという、僕の中で明確な基準が近くにいるというのはありがたいです」と答えた。
一番身近なライバルに刺激を受けながら、彼が着実に成長を遂げていることがはっきりと分かった。
その平川も、周りに大きな刺激を与えている。実際、監物はこう語っている。
「あの2人は凄く能力が高い選手。だからこそ絶対にやられたくなくて、そこは凄く意識しました。でも、その2人に1本ずつやられてしまって、凄く悔しいです」
海外選手にも太刀打ちできるような視野と予測を。
開口一番、警戒していた2人にゴールを決められてしまった悔しさを表したが、清水守備陣の中で彼が一番、2人の動きを封じようとしていたことも確か。90分間、常に2人の動きを視野に入れながら、ポジショニングを取り、機を見て勇敢にボールへとアプローチした。
「代表で海外の選手と対戦をすると、強いだけでなく速いので、相手と同じタイミングで動いたらどうしてもやられてしまう。なので、視野を広く持って、1歩、2歩早く動くことを意識しています。そのためには予測力が重要で、今日の試合、そこは凄く意識をしました」
平岡宏章監督が「今日の監物はびっくりするほど良かった」と目を丸くするほど、2年生となって成長の階段を駆け上っている。
「僕にとってU-17W杯は、自分の能力を世界で試せる場所であり、そこに行くことで大きく成長出来ると思うので、絶対に行きたい。そう言うところに行かないとプロになれないと思っているので」
平川同様に明確な目標を持つことが、どれだけ成長の速度を早めるか。久保はもちろん、この試合での平川と監物を見て、改めてこの重要性を感じることが出来た。