“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
久保建英は同世代の強烈な刺激に。
平川怜、監物拓歩らが見せた競争心。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2017/04/12 17:00
久保建英の登場によって大きく注目が集まるユース世代。その舞台で活躍を見せれば、早くも脚光が当たることになる。
3人だけでなく、逸材GKが清水ユースにいた!
そして、この試合で輝いたのはこの3人だけではなかった。清水ユースのGK梅田透吾も大きな存在感を放った。
彼も2000年7月23日生まれの「00ジャパン」世代であるが、これまで一度も年代別代表はおろか、東海選抜にも選ばれたことが無いような存在だった。
しかし筆者の中では、この試合で彼が見せたプレーが一番のインパクトだった。
2失点こそしたが、それはGKを責められないスーパーゴールだった。むしろ彼は試合を通じて安定感抜群のキャッチングを披露していたのだ。
例えばハイボール処理ひとつをとっても非凡さが分かる。ボールのスピードや回転などを読み取り、軽やかなステップワークで素早く落下地点に移動し、しなやかなジャンプと手の伸びで確実にボールを両手に収める。
数多く飛んで来たクロスをノーチャンスにし、シュートに対してもしっかりとキャッチする。51分には相手の強烈なミドルシュートを横っ飛びでキャッチしたシーンは、非常に高いセンスを感じた。
3人と違ってインタビュー慣れしていない初々しさも。
「FC東京はクロスをシンプルに上げてくるので、そこは意識して、キャッチなのかパンチングなのかをしっかり判断して、その上でキャッチをするようにしています。やっぱりキャッチした方が弾くより確実にマイボールになるので、そこは日々のトレーニングから意識をしているところです」
3人と違って、インタビュー慣れしていない初々しさがある中、彼は丁寧に質問に答えてくれた。
「もともと身体小さくて、力が無かったので、クロスもシュートもボールの勢いに負けてしまって、キャッチ出来ずに弾いてばかりいました。それじゃいけないと思って、キャッチの技術やポジショニング、ステップなど細かい技術をコツコツとトレーニングをしてきました」