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池江璃花子、リオ後1年での急成長。
泳ぎに泳いで見え始めた世界の頂点。 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byKyodo News

posted2017/04/03 07:00

池江璃花子、リオ後1年での急成長。泳ぎに泳いで見え始めた世界の頂点。<Number Web> photograph by Kyodo News

3月の国際大会ではリオ五輪三冠のカティンカ・ホッスー(左)にも競り勝つなど成長を見せた。

「出るレースは全部、日本新記録を出すという思い」

「出るレースは全部、日本新記録を出すという思いです」

 今年2月の大会でそう語っているが、大会の規模を問わず、その言葉が本気であることは、大会ごとに生まれる日本記録が物語っている。

 記録はさまざまなチャレンジの成果でもある。

 昨年末からは、初めて海外で高地合宿を敢行した。帰国後、200m自由形で日本記録をたたき出した。専門外の種目の400m自由形や200m個人メドレーにも出場した。自分の実力を見極める目的からだ。また50mでは、息継ぎを一度もしないで泳げるようにトレーニングを積み重ね、それに初めて成功した2月のレースで新記録を達成した。

 その足取りの土台は、今思えばリオがあったからにほかならない。

「どんな大会でも、泳ぐことが楽しいんです」

 当時、あまりのレース数の多さを不安視する声があった。実際、池江自身も大会期間中に疲労を言葉にしたこともあった。

 だが、その状況にも彼女がつぶれることはなかった。むしろ、大会で味わった悔しさが、成長へのエネルギーとなり、リオ五輪から帰国した翌日から大会に出場するほどだった。

 生まれたエネルギーは、悔しさから来るものばかりではない。

「どんな大会でも泳ぐことが、レースすることが楽しいんです」

 その言葉通り、大会に出続け、高校生カテゴリーの大会でも、国際大会でも、変わることのない集中力で泳いできた。それは悔しさを晴らすという感情だけではなく、楽しいという感情があるからできたことだ。

【次ページ】 1年前とはまったく違う立ち位置の日本選手権。

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