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プレミア恒例の監督解任ラッシュ。
3月以降の交代、降格回避率は? 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2017/03/28 11:30

プレミア恒例の監督解任ラッシュ。3月以降の交代、降格回避率は?<Number Web> photograph by Getty Images

岡崎のスタメン復帰で流れを取り戻したシェイクスピア体制のレスター。監督交代がカンフル剤となった典型的な例だ。

新体制になって、昨季のレスタースタイルが復活。

 暫定指揮を経て、今季末までの正監督へと昇格したクレイグ・シェイクスピアが、レスターに改革をもたらしたわけではない。新体制のスタイルは、4-4-2を基本システムとして、前線から果敢にボール奪取を試みながらのカウンター。限りある戦力を最大限に生かし、全員の運動量と最前線のスピードで勝負する戦い方は昨季と全く同じだ。

 だが、ラニエリが指揮をとり続けていたら、奇跡の優勝を成し遂げた昨季の姿を取り戻すには更に時間を要していたかもしれない。それは1月に0-3で完敗したチェルシー戦でのこと。途中出場だった岡崎慎司は試合後に「監督はもう策がないっていう感じでした」と、投入時の指示を説明した。

 実際にはチェルシーの3バックシステムに合わせて、3-5-2のまま戦うという意図だったようだが、ピッチ上のレスターは4バックへ変更したかのように見えた。そもそも3バック採用への取り組み自体が、2日前からという状態。黒星続きのチームが困惑を強め、自信を落としていることは容易に理解できた。

「監督的にはどうにかしたいという思いで、いろいろ試している段階だと思う。多分、これからも。勝てれば『これでいいんだ』と思うけど、こうやって負けると、『なんでこんなに変えるんだ?』ってなりかねない」と、当時の岡崎は心境を語っていた。

 選手の謀反や手抜きがあったとは思えないが、指揮官の指示には従順な日本人選手以上に、レスターの選手は「1つのことを徹底的にやれるチームなのに」というもどかしさと、それができない状況での不安を覚えていたことだろう。

「できることに徹する」戦い方こそ、残留争いに必要。

 実際、監督が代わった初戦でのレスターから最も強く感じたのは、「吹っ切れた」という印象だった。2月27日のリバプール戦を迎えた時点での順位は、降格圏内の18位。ラニエリを解雇に追いやったチームとして、“単なる降格危機”以上のプレッシャーにさらされていたはずが、トップ4候補を相手に快勝を演じてみせた。

 スルーパスに反応して抜けたジェイミー・バーディーが相手ゴールのニアサイドを射抜くと、相棒としてスタメン復帰した岡崎らチームメイト達が駆け寄る。この先制シーンが鮮やかにレスター蘇生を告げた。きっかけとなったのは、「できることに徹する」戦い方をチーム戦術に戻した後任監督の指示だった。

【次ページ】 元マンU、現サンダーランドのモイーズも渦中の人。

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