マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
4分の3が私立高になったセンバツ。
公立びいき、片側応援も程ほどに。
posted2017/02/08 07:00
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph by
Hideki Sugiyama
春のセンバツの出場校が決まり、プロ野球の春季キャンプも始まって、野球の世界に春がやって来た。
今年のセンバツにやって来る顔ぶれを眺めながら、有名な学校が多いなぁ……と思ったのがきっかけで、珍しくちょっとした“調べもの”をやってみた。
有名な学校が多いという第一印象のあとに来たのが、「私学ばっかりだなぁ」という事実だ。
数えてみたら、21世紀枠も含めて出場32校のうち24校、4分の3が“私学”だった。
へえ~っと思いながら、そういえば、去年の夏の甲子園でも同じようなことを感じたなぁと思って、今度はそっちのほうを調べてみたら、出場49校中39校が私学、センバツ以上のおよそ80%が私学だったことがわかった。
ならば、いつ頃からこうした「私学大会化」が始まったのか……以前は、もっと公立校がたくさん出ていて強かったように思う。
ここ60年で、公立と私学の割合はきれいに逆転した。
そこで、春・夏の甲子園の“私学率”を調べてみたら、これが面白かった。
ちょっと調べてみる…これは意外とおおごとのようである。
センバツ 夏
2007年 66% 73%
1997年 56% 59%
1987年 50% 49%
1977年 50% 44%
1967年 46% 43%
1957年 20% 21%
私学、公立がちょうど半分半分だった1987年(昭和62年)を挟んだこの60年間で、私学、公立の出場校の数がきれいに逆転していることがわかった。
平成が始まったのが1989年の1月8日だから、言い換えれば、平成になって高校野球は私学の時代になったといってもよいだろう。