ゴルフボールの転がる先BACK NUMBER
1月第1週も松山英樹は戦い続ける。
厳しい過密日程はスターゆえの宿命。
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph byAFLO
posted2017/01/01 07:00
スタートダッシュを決め、賞金ランク、フェデックスポイントで世界1位を走る松山英樹。彼が争っているのは、世界のトップオブトップなのだ。
世界55位の谷原も、マスターズに向けて海外へ。
池田は賞金王争いを演じたマッチレースの相手について「谷さんがいなければ、こういった成績にはならなかった」と言った。その谷原秀人は昨年、日本ツアー最終戦での逆転賞金王はならず、世界ランクは50位に一歩届かぬ55位。彼ほど「惜敗」の悔しさを味わった選手もいないだろう。
だが、オーガスタへと続く道はまだ閉ざされていない。年明けの試合で活躍し、3月27日時点での世界ランキングで50位に入ることができれば、松山、池田に次いでマスターズの出場チケットが手に入る。谷原は推薦出場するソニーオープンから始動(日本からは松山、岩田、谷原のほか片岡大育、小平智、宮里優作が出場)。アジアシリーズ、WGCで好成績を出すことが求められる。
谷原は昨秋「1月から4月のマスターズまでに、もっと日本ツアーでも試合があると良いんだけど」と私論を語っていた。確かに、置かれた状況は厳しい。欧米ツアーの選手たちに比べて、日本ツアーはこの3月末までの試合が少ないため、必然的に世界ランクポイント獲得の機会が少なく、ランキングは降下する傾向にある。
そういった観点でも、アジアシリーズの意味合いは大きい。国内のゴルフ場がまだ寒いこの時期、海外に彼らの職場を確保することは、日本ツアーが今後さらに取り組むべき課題のひとつになるかもしれない。
世界最高峰の米ツアーやメジャーでの飛躍を夢に、目標に掲げる選手は、各ツアーのカレンダーと睨めっこをし、実戦感覚を年中キープしてスケジュールを組み立てる。
移動と試合の連続は、ゴルフコース外での向き合うべき難敵。その戦いは日本やアジア、欧州に生まれたゴルファーたちの宿命ともいえる。ただそれもまた、見る者にとって、ファンにとってはありがたいものに違いないのである。
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