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1月第1週も松山英樹は戦い続ける。
厳しい過密日程はスターゆえの宿命。 

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桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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posted2017/01/01 07:00

1月第1週も松山英樹は戦い続ける。厳しい過密日程はスターゆえの宿命。<Number Web> photograph by AFLO

スタートダッシュを決め、賞金ランク、フェデックスポイントで世界1位を走る松山英樹。彼が争っているのは、世界のトップオブトップなのだ。

石川遼はシード維持へ1打も無駄にできない戦い。

 12月、戦績だけ見れば絶好調の秋の陣を振り返り、彼は「成績と調子は比例しない。今月マスターズがあっても勝てないと思う」と言った。世界中のメディアから「いつメジャーを制してもおかしくない」という評価を揺るぎないものにしながらも、小寒、大寒、立春……と続く季節は、4月にオーガスタで輝くための“何か”を見つける大切な時間だ。

 松山と同様、米ツアーを主戦場とする石川も1月中に初戦を迎える。公傷制度で復帰したシーズンはまずシード権維持が至上命題で、まさに1試合も、1打も無駄にできないプロ10年目の始動となる。苦手な西海岸シリーズからの参戦となるが、復帰直後に見せた粘り強い戦いぶりが期待される。

 そして昨季、年間の出場権を失った岩田寛にとっては精神的にもさらに厳しい1年の幕開けだ。ソニーオープンinハワイに出場したあと、当面は試合出場のチャンスをうかがうため、各大会の待機選手として繰り上がり出場を狙うことになりそうだ。出られるかも分からない試合の会場に出向き、ひたすら練習だけの日々となる可能性もある。

 岩田はまた、今年度末で日本ツアーのシード権(2015年セガサミーカップ優勝による2年シード)も切れるため、国内でも目立った成績が必要になる。欧米ツアーのメンバーに課されていた年間5試合の出場義務は2017年に撤廃されることが決まったが、あと1年早ければ、救われていたかもしれない。

賞金王・池田勇太は6年ぶりにマスターズ出場権獲得。

 米ツアー戦士たちだけでなく、国内ツアーをメインとするプロも、トップレベルであればあるほど、息をつく暇がない。

 念願の賞金王のタイトルを獲得した池田勇太は、昨季3勝&2位が6回と、特に終盤戦に安定感を誇り、世界ランキング33位で2016年を終えた。年末の同50位以内というハードルをクリアして、4月のマスターズ出場権を獲得。6年ぶりにオーガスタナショナルGCに舞い戻る。

 1月末には日本とアジアンツアーの共同主管競技、SMBCシンガポールオープン、レオパレス21ミャンマーオープンの2試合が行われる。1年の開幕を告げるアジアシリーズは今年で2年目。池田はここでシーズンインし、出場権を持つ3月のWGCメキシコ選手権、WGCデルテクノロジーズ・マッチプレー選手権でマスターズに向けた総仕上げをしたい。

【次ページ】 世界55位の谷原も、マスターズに向けて海外へ。

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