ゴルフボールの転がる先BACK NUMBER
1月第1週も松山英樹は戦い続ける。
厳しい過密日程はスターゆえの宿命。
posted2017/01/01 07:00
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph by
AFLO
新年あけましておめでとうございます。
世間は、お屠蘇気分が抜けぬ正月ムード真っただ中。年明けの歩調はどうにもスローペースだが、世界トップクラスのゴルファーたちはそうも言っていられない。
1月第1週、世界ランク6位の松山英樹は早くも始動。1年の初戦を迎えなければならない。ハワイ・カパルアで行われるSBSトーナメント・オブ・チャンピオンズは昨シーズン(2015-16年)の米ツアー各大会優勝者たちだけが出場するエリートトーナメント。マウイ島でのこの試合を終えると翌週にはオアフ島に飛び、ソニーオープンinハワイに臨む。
12月上旬にバハマでのヒーローワールドチャレンジで、タイガー・ウッズに勝利を讃えられてから1カ月に満たないオフを経て、本格化するシーズンに入る。
この戦いぶりは、まさにインターナショナルプレーヤーといえるもの。
10月の日本オープンから直近5試合で4勝。勝てなかった1試合も単独2位という圧巻の締めくくりを見せた松山だが、4勝のうちの1試合目、10月の日本オープンの週(米ツアーの2016-17年シーズン開幕戦・セーフウェイオープンが同週開催)以降、5試合も出た選手は世界ランクトップ10のうち松山とスウェーデンのアレックス・ノレンしかいない。石川遼とタッグを組んだISPSハンダ・ワールドカップを含めば最多の6試合になる。
“働きアリ”のようにポイントと賞金をためこむ。
この期間、世界1位のジェイソン・デイは背中痛の影響もあって1試合も出ていない。ローリー・マキロイもダスティン・ジョンソンもジョーダン・スピースも2試合。トップ20を見渡しても、松山と同等の試合数をこなしたのは、同11位のダニー・ウィレット(6試合)くらいだ。
日本や欧州出身で米ツアーに参戦する選手は、各ツアーのシーズンにズレがあるため、とにかく1年中多忙だ。
やんちゃな豪傑のような出で立ちの松山は、ライバルたちがオフを満喫する間も“働きアリ”のようにトライ&エラーを繰り返し、せっせと世界ランキングポイントと賞金をため込みながら、メジャーシーズンへの準備を整える。