話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
年々得点が減り、失点は増える一方。
3年ぶり無冠のG大阪は何が問題か。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2016/12/28 11:30
遠藤保仁は今季もリーグ戦のほぼ全てに先発している。今もガンバにとって、彼の使い方がチームの命運を左右することは変わっていない。
遠藤37歳、今野34歳という高齢化問題も進行している。
かつてガンバが強い時代には必ず軸になるセンターFWがいた。リーグ戦初優勝に貢献したアラウージョ、さらにマグノアウベス、バレー、レアンドロ――。来季はパトリックが右膝の負傷で退団濃厚という状況を受けてFWの補強にも動いたが、すでに小林悠、黄義助の獲得に失敗。長沢はいるものの、アデミウソンのパートナーをどうするのかは大きな課題だ。
また、遠藤が来季37歳、今野が34歳になるなどレギュラーの高齢化が進む。ただ、そのこと自体よりも彼らのポジションを考え、どのようにチーム力を上げていくのかが重要になる。考えなければならないのは遠藤のポジションだろう。ガンバの中盤を支えてきた7番をどこに置くのか。長谷川監督は井手口の成長もあり、遠藤のボランチ起用はあまり考えていないだけに、今季のように前線のポジションでプレーさせるのか。それともプレー時間を限定するのか。長谷川監督は難しい選択を迫られるだろう。
2年目になる堂安律らのブレイクに期待。
大森晃太郎がヴィッセル神戸に移籍することを発表したが、他の移籍情報はまだ不確定なのが多いのでなんとも言えない。大森の他に、岩下敬輔、阿部浩之、西野貴治ら主力級の選手が移籍するとなれば戦力的なダメージは大きく、とりわけ攻撃面での影響が深刻だ。大森もそうだったが、阿部もハードワークを厭わず、長谷川監督のサッカーの申し子のような存在だった。新加入の選手は、アデミウソンを見ても分かるように、ガンバの独特のリズムとパスに慣れるのに時間がかかる。
そこで期待したいのが、今シーズン入団した堂安律ら来季2年目になる選手たちだ。川崎フロンターレが今シーズン後半に勢いを手に入れられたのは、三好康児、長谷川竜也ら若手の活躍があったからだ。
鹿島も前線に鈴木優磨ら力がある選手が出てきて勢いが増した感がある。ガンバも初瀬亮、市丸瑞希、呉屋大翔ら若い選手が出てこなければチームの雰囲気を良くすることも世代交代も立ちゆかないだろう。