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FC東京、何も得られなかった1年間。
森重が語った「選手だけでなく……」。
posted2016/12/29 08:00
text by
西川結城Yuki Nishikawa
photograph by
J.LEAGUE PHOTOS
2016年2月9日、ACLプレーオフ・チョンブリ(タイ)戦。今季のFC東京は、Jクラブの中で真っ先に公式戦開幕を迎えたクラブだった。そして、先日クリスマスイブに行われた天皇杯準々決勝・川崎F戦。当然、2017年元日の決勝戦まで戦うつもりだったが、この一戦が長いシーズンの最終戦となってしまった。
リーグ、ACL、ルヴァンカップを逃し、最後に残された天皇杯タイトルを奪うこともできなかった。今季、スローガンとして掲げた“頂戦”。その実現は果たされなかった。
試合後、神妙な表情を浮かべながら日本代表DF森重真人が語った。
「最後も悔しい思いになってしまった。この1年、悔しい思いしかしてこなかった。もっと試合の局面で、サイドだったらサイドで、負けたくないという思いをみんな持って取り組まないといけない。一人ひとりの意識によるところが大きい」
川崎に見せ付けられた精神力の差。
FC東京は川崎Fに、試合内容で圧倒された。相手の風間八宏監督が5シーズン目を迎える長期体制であるとか、中村憲剛や大久保嘉人といった技巧派が揃っているとか、そんなわかりやすい安直な理由だけではない。
一人ひとりのプレーの正確性、強度、集中力といった、あらゆる要素でFC東京は劣っていた。終了間際に平山相太が一矢報いる追撃弾を決めたが、川崎Fにつけられた2点のリードをひっくり返せるほど、タフな集団ではなかった。
「実際にプレーをしていても、差を感じてしまった。もっと悔しい思いを持ってやらないと。『あいつらは上手いから』と思っているだけでは、いつまで経ってもその相手より上には行けない。もっともっと、負けることを嫌がらないと」
主将の森重が自戒を込めながら痛感したこと。それはある意味、技術や戦術面以上に根が深い部分でもあった。勝ち癖のない、FC東京。同じくリーグタイトルを獲得したことのない川崎Fに敗れ去ったことで、勝利への執着心が足りないことをあらためて露呈してしまった。