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飯伏幸太、WWEと新日に同時参戦中!?
2010年代型フリーレスラーの形とは。
text by
堀江ガンツGantz Horie
photograph by2016 WWE, Inc. All Rights Reserved.
posted2016/10/23 11:00
「飯伏プロレス研究所」所属を名乗る飯伏は、団体の枠を軽々と飛び越えて日米のファンを魅了している。
タイガーマスクWが飯伏なら……というひとつの疑問。
ところが、10月10日の新日本プロレス両国国技館大会で、アニメ『タイガーマスクW』(テレビ朝日系)とのタイアップで、マスクマン・タイガーマスクWがデビューすると、その体型と動きがあまりにも飯伏に酷似。その正体バレバレぶりは、「タイガーマスクというより、グレートゼブラ(原作でジャイアント馬場が扮したマスクマン)」と言われたほどだ。
いや、バミューダ・トライアングル(三角飛び式ムーンサルトアタック)や、シットダウン式ラストライド型のタイガードライバーという飯伏の代名詞的な技を意図的に使うその姿は、正体バレバレというより、自分が飯伏であることをあえてアピールしているようにも見える。
もし本当に正体が飯伏であるとするならば、彼は現在、WWEと新日本プロレスという日米の両メジャーに、同時進行で掛け持ち参戦するという、これまで誰もやったことがないことを、片方が「正体不明」であるのをいいことに、ちゃっかり実現させていることとなる。
DDTと新日の同時所属に続く、新たなフリーの形。
今年2月、DDTと新日本プロレスの2団体同時所属という、前例のないカタチを解消した飯伏は、今また全く新しいフリーの形を提示しようとしているのだ。
かつて、昭和のプロレスにおいて、日本人フリーレスラーというのは、新日本や全日本といった日本の団体には所属せず、本場アメリカマットで一匹オオカミとして闘うレスラーのことを主に指していた。
北米の各テリトリーを数カ月、1年単位で転戦し、その合間に“来日”して日本の各団体にシリーズ単位で参戦する。国籍こそ日本人ながら、外国人レスラーと同じカタチで活動していたのだ。
それが、マサ斎藤、キラー・カーン、上田馬之助、ケンドー・ナガサキ、ミスター・ポーゴといった選手たちだった。