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今季の箱根は青学の独壇場なのか。
出雲駅伝で感じた「新3強時代」。
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byKyodo News
posted2016/10/11 12:30
大きなトラブルが無ければ三冠は可能と強気のコメントを残した青学大の原監督。出雲での強さは、十分な説得力を持っていた。
圧倒的な黄金世代を1年生に抱える東海大。
そして出雲駅伝では、東海大の1年生が想像以上の強さを見せた。
1区 鬼塚翔太 大牟田・区間2位
2区 館澤亨次 埼玉栄・区間2位
3区 關(せき) 颯人 佐久長聖・区間1位
3人の1年生がこれだけ走るとは、正直、想像していなかった。
「1年生は距離が伸びる全日本、箱根にはまだ不安があります。あと、1、2年待ってください」
両角速(もろずみ・はやし)監督はそう謙遜したが、しっかりとした手応えをつかんでいる。本当は3人に加え、羽生拓矢(八千代松陰)も起用する意向もあったようで、現在の1年生が圧倒的な「黄金世代」であることは間違いない。
来年度から出雲、全日本で優勝のチャンスがあるだろうが、楽しみなのが2年後、2018年度のシーズンだ。きっと、三冠のチャンスが巡ってくる。
おそらく、数年は青学大とのデッドヒートが続くだろう。
「青学さんとは、高校生のリクルーティングでもかぶることが多いですし、チーム作りの方向が近いのかと思います」
そう両角監督が話しているし、各地の記録会で青学勢との対決があると、選手たちが、「青学に負けるな!」と叫んでいる。
両校のライバル意識がどのような形で発展していくのか、興味深い。
山梨学院大は来季が力のピークになる。
そして来年度に限っていえば、山梨学院大に大きなチャンスがある。絶対的なエースであるニャイロがおり、全国高校駅伝の優勝メンバーが最上級生になって、充実の時を迎える。特に距離の短い出雲、そして8人がタスキをつなぐ全日本では優勝のチャンスがあるはずだ。