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7月反攻。映画『シン・ゴジラ』に、
高橋由伸監督の姿を見た。 

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プチ鹿島

プチ鹿島Petit Kashima

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photograph byHideki Sugiyama

posted2016/08/15 11:45

7月反攻。映画『シン・ゴジラ』に、高橋由伸監督の姿を見た。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

“慎ゴジラ”阿部慎之助の打棒には、ことのほか期待が大きい高橋監督。「阿部が打つと、他の打者も勇気が出る」と称賛。

『シン・ゴジラ』と由伸巨人の共通点とは何か?

 さて、グランド上の由伸巨人にかぎってみてみると、実は『シン・ゴジラ』と共通点がある。

 先ほどもあげたように、この映画の魅力のひとつには「リアルとリアリティ」の面白さがある。ゴジラという壮大な虚構を成り立たすために、他のものは極力、現実に即している。

 突拍子もない新兵器でゴジラとたたかうのではなく、「今たたかうとしたら、どうする?」を描いているのがミソ。今持ってるものでたたかうお話。

 それを考えたら、ここ最近の由伸巨人といったらどうだ。まさに「今持っているものでたたかっている」ではないか。

空想では岡本や大田がガンガン打っているが……。

 私はこのコラムで何回か、若手の台頭を熱望した。

 チームの雰囲気を変える若手選手が出てきてくれたらなぁ、いつか救世主的な若手が出て来てくれたらなぁ、と。それは岡本であり、大田であり、桜井&重信のルーキーであり、いや、誰でもいいからとにかくイキのよい若手を待望していた。なお、大田は毎年恒例のお約束である。

 そのような浮かれた期待は決して間違ったことではなく、プロ野球ファンの特権である。自由に空想することは、ファンのよろこびだ。

 しかし現実はどうだろう。若手は台頭しない。チャンスを与えられてもピリッとしない。「突拍子もない新兵器」はなかなか出てこない。空想では岡本や大田がクリーンアップでガンガン打っているのに!

 現実ではありえない。なら、持ってる戦力でたたかうしかない。リアルにたたかうしかない。

【次ページ】 村田、阿部、大竹、内海らベテランが与えた落ち着き。

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