欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
本田圭佑が国連財団の「支援者」に!
世界の子供たちが夢を持つために。
text by
及川彩子Ayako Oikawa
photograph byAyako Oikawa
posted2016/06/28 07:00
これまでもクラブ経営、サッカースクールなど選手の枠を軽々と飛び越える本田圭佑。次に何をするか、目が離せない。
「ケイスケは素晴らしい活動をしてきている」
カンボジアをはじめ、学校建設など教育面の支援も行っているが、個人の力では支援が追いつかない部分もある。
「子供たちが僕らに依存することなく夢を持ち続けて欲しいということを、ずっと我々の課題として持っていた。国連財団が持続可能なプロジェクトに積極的に取り組んでいるということで、素晴らしいタイミングで話をいただけたと思う。
僕としては今までやりたかったことが、実現する機会が早まると思う。自分たちにないものを国連財団が持っているので、うまく連携していきたい」とこれから始まる大きな試合にワクワクしているようなそんな表情で本田は話す。
ワシントンDCに本部を置く国連財団のエリザベス・コーゼン副CEOは「ケイスケはサッカー選手として優れているだけではなく、世界中で若者の将来や社会をよくするために素晴らしい活動をしてきている。我々とともに若者が自立できる社会をつくれるように歩んでいけると思う」と高く評価し、期待を寄せる。
また同財団のケロッブ・ティラー広報部長は、「午前中に本田氏とプロジェクトチームでミーティングを行ったが、本田氏はとても熱心に我々の話に耳を傾け、素晴らしい提案をたくさんしてくれた。積極的な姿勢にとても感心させられた。これから長いつきあいになると思うが、一つずつプロジェクトを成功させていきたい」と話す。
国連財団は様々なセレブリティと連携して様々なプログラムを行っているが、アジアを対象としたプログラムはあまり多くない。そのため、東アジアや東南アジアでも活動している本田はこの役にうってつけだったのだろう。
社会問題を見過ごすことこそが、本田のストレス。
現役なのだからサッカーのことだけに全身全霊を傾けるべきでは、そう眉をひそめる人もいるかもしれない。しかし本田本人が「これは自分にとってライフワーク」と話すように、とても自然に行っているように見える。助けが必要な子供たちがいるのに何もせずに見過ごすことの方が、きっと本田にとっては大きなストレスになるのだろう。
「自分が子供の頃にそこまで才能に優れた選手ではなかったというのが(こういう活動をする)一番の理由。サッカーが上手くなりたくて、世界一のサッカー選手になりたいと思って今までやってきた」