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畠山健介語る英国ラグビーデビュー。
娘の手紙と、スパイク一杯のビール。
text by
畠山健介Kensuke Hatakeyama
photograph byKensuke Hatakeyama
posted2016/03/19 10:30
ファルコンズの頼れるキャプテン、ウィルとニューカッスル市内のカフェで。ラガーマンに国境はない。
日常会話より、グラウンド内の方が簡単。
2008年、当時23歳の僕がトップリーグにデビューした時も金曜日のナイトゲームだった。相手は三洋電機ワイルドナイツ(現パナソニック)。試合には負け、満足いくパフォーマンスも出せなかった、ほろ苦いデビューだった。イングランドでは仲間のおかげで、30歳にして最高のデビューとなり、苦いはずのビールが若干、美味く感じた。
ニューカッスルに来て練習に本格的に合流したのは、渡英から4日後ぐらいだった。英語での日常会話より、グラウンドの方が良いコミュニケーションが取れている気がする。日本でもイングランドでも、ラグビーの内容、本質は大きくは変わらない。
サイン名は違っても、動きは同じ場合があったりする。細かいポジショニングやシステムの違いはあっても、案外アジャスト出来る。なんなら、ランニングコースやディフェンスの上がり方など、細かい部分に関しては「体格で劣る」という理由で、時間をかけてこだわってきたエディージャパンの財産のおかげで、対等以上に戦えている気がする。
コンタクトの激しさはやはり日本以上だった。
問題はやはりフィジカル、コンタクトの激しさにある。一発一発のコンタクトのレベルは、日本のトップリーグとは違う。日本でも激しいタックルや当たりがくることはあるが、それはトップチームやレベルの高い選手のみ、という限定された中だけだったりする。ここでは全てのチーム、選手が何発も何発も重く激しいコンタクトをしてくる。この激しさに慣れ、対応しないと、ここでは戦えない。
日本に持ち帰れる「土産」は早々に練習で得ることが出来た。日本でプレー経験がある仲間も「日本のトップリーグはよりテンポの速いゲーム展開だが、ここは日本よりテンポはゆっくりだが、コンタクトのレベルが圧倒的に激しい」と話していた。
課題は強みの再認識だったりする。日本ではコンタクトのレベルは低いが、よりテンポの速いゲームプランを遂行できる。イングランドではコンタクトレベルは高いが、テンポの速いゲーム展開では無いため、速いテンポに対応出来ない可能性が高い。エディーが3年間かけて世界と戦うために用意した狂気的なプランは、我々の強みを活かしたものだったと再確認できた。
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