サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
7月以降、失速してきたU-22日本代表。
五輪アジア最終予選までに変われるか?
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2015/12/26 10:30
12月13日、UAEで行われたウズベキスタンとの親善試合はスコアレスドローに。中央は主将を務める遠藤航。
コスタリカ戦以降、チームは失速。
コスタリカ戦のような試合を経て、個々がさらに成長していければ、最終予選を突破する力は十分備わっていくと思っていた。ところがそれ以降、チームは失速していった。
8月26日 ●1-2京都サンガ
9月23日 ●0-1町田ゼルビア(J3 U-22)
10月27日 △0-0福岡大学
29日 ○7-0サガン鳥栖
11月26日 △1-1湘南ベルマーレ
12月10日 △0-0イエメン
13日 △0-0ウズベキスタン
鳥栖戦では7点取れているが、相手はサブ組が中心の編成でガチンコ勝負したわけではない。そのことは選手自身も理解しており、「点は取れたが手放しでは喜べない」と遠藤航は慎重だった。
メンバーが発表されるも、指揮官の展望が見えない。
点が取れない。
勝てない。
先制されると追い付けるが、引っ繰り返すだけの力がない。
8月からつづいた試合で攻撃の選手が迫力と精度を欠いたせいもあるのだろう。本来であれば最終予選に挑むメンバー23名を12月18日に発表する予定だったが、21名の発表に終わるという異例の事態となった。残り2名は攻撃の選手を登録するのか、DFの選手なのか、再考するということなのだが、この時期に、人選を含めて指揮官が「こう戦うんだ」というのを明確に示すことができていないのは、大きな不安でしかない。
メンバー選考も、攻撃陣に限っては「?」がついてしまう感があった。試合の出場機会の少ない選手が選出されたが、試合経験が豊富な選手の方が連戦に耐えられるし、状況に応じて臨機応変に戦える力もある。指揮官は、それよりも選手の「潜在能力」に賭けたということなのだろうか。また、攻撃陣の面子を見ると今ひとつ戦い方やサブメンバーの使い方が見えてこない。このメンバー選考を含め、コスタリカ戦以降、12月までの流れを見ると強化が捗らず、チームとしての型を見失っている感が否めないのだ。