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世界と戦う日本ラグビー、サンウルブズ。
新ヘッドコーチとチーム陣容を検証。
posted2015/12/25 11:00
text by
大友信彦Nobuhiko Otomo
photograph by
Yohei Osada/AFLO SPORT
ラグビーの世界最高峰リーグと呼ばれるスーパーラグビーに2016年から参入する日本チーム「サンウルブズ」のヘッドコーチと選手が、開幕まで約2カ月と迫った12月21日に発表された。
スーパーラグビーは、1996年にニュージーランド(NZ)5、南アフリカ4、オーストラリア3の計12チームによる「スーパー12」として発足。その後14、15とチーム数を増やし続け、来年からさらに3チーム拡大するという決定を受け、自国開催の2019年ワールドカップ(W杯)に向け強化が急務の日本が、強豪相手の経験値を高めるために参入を決意したのだ。
チーム名の「サンウルブズ」は「日いずる国」日本を象徴する太陽の「サン」と、「体は小さくても俊敏さとチームワークで大きな獲物を倒す」オオカミを組み合わせたネーミング。
21日の会見で上野裕一CEOはサンウルブズのビジョンとして「世界と勝負できるチームを作る」「世界中のファンに愛されるチームを作る」という2点をあげた。
簡単ではなかった……サンウルブズの船出。
とはいえ、船出は難産の末だった。
スーパーラグビーを運営するSANZAR(南アフリカ、ニュージーランド、オーストラリアの3カ国による統括団体)からはヘッドコーチ・選手のリスト提出を再三求められながら、準備の遅れもあって交渉は難航。チーム構成を司るディレクター・オブ・ラグビーに就任していたエディー・ジョーンズ前日本代表HCも、日本側の体質に業を煮やし、南アフリカ・ケープタウンに本拠を置くストーマーズからのオファーを受け転出した(のちにイングランド代表HCに就任)。
ワールドカップで日本代表が南アフリカ代表を破って潮目は一気に変わったが、この快挙がなければ、日本のスーパーラグビー参入は消滅していたとも言われる。