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前人未踏のレベルに達した羽生結弦。
GPファイナル3連覇を阻む者は誰だ!? 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byAsami Enomoto

posted2015/12/10 10:40

前人未踏のレベルに達した羽生結弦。GPファイナル3連覇を阻む者は誰だ!?<Number Web> photograph by Asami Enomoto

GPファイナルを3連覇すると、エフゲニー・プルシェンコ、パトリック・チャンらも為し得なかった偉業となる。

4回転ジャンプへの準備を周到に重ねてきた。

 2015年4月に行なわれた世界国別対抗戦のエキシビションや、5月に幕張で開催された「ファンタジー・オン・アイス」で、4回転ループに挑んだ。

 6月、「ドリームオンアイス」のフィナーレでは、4回転アクセルに挑んだ。転倒し、勢いあまって観客席に半ば飛び込む形となったが、喝采を浴びた。

「お客さんのいる前でチャレンジすることも、重要な練習になると思っています」

 3年前にそう口にしているが、これらのチャレンジもまた、現実とするための過程だっただろう。

 まだプログラムに4回転のループやアクセルを取り入れているわけではないが、これまでに見せてきた4回転ジャンプへの志向と練習を積み重ねてきた上での、NHK杯だった。そうでなければ、決して長くはない準備期間で2本の4回転ジャンプを跳ぶという変更を成功させることはできなかった。

「もっと難しい、質の高い4回転を目指す」

 そもそも、4回転ジャンプへの強い意欲を駆り立てているものは何か。

 NHK杯へ向けてのチャレンジの背景には、NHK杯でも2位となったボーヤン・ジン(中国)のように、2本入れる選手が次々に現れたことがあった。

「オリンピック王者として、連覇をするためにも、さらに挑戦しないといけないと思いました」

 同時に、ソチ五輪の時点で語っていたように、長い目で見れば、これから訪れるであろう時代を予見していたからでもある。ソチ五輪ですでに4回転ジャンプを伸ばしていく意欲を示していたのは、それがあったからである。

 NHK杯のあとにも、このように語っている。

「時代はオリンピックごとに変わっていきます。(SPとフリーで計6回の4回転に挑んだ)ボーヤン・ジン選手にはスケート界の将来を見ているような気もしましたし、僕ももっと難しい、質の高い4回転を目指してやっていきたいと思います」

 ボーヤン・ジンの、フリーで「4回転ジャンプは4つで十分」という言葉に対し、

「僕は(フリーでの4回転ジャンプが)4つで十分かと言われれば、そうではないと思います」

【次ページ】 GPファイナルのライバルは羽生自身である。

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