岩渕健輔、ラグビーW杯と東京五輪のためにBACK NUMBER

岩渕健輔が語るラグビーW杯と7人制。
世界と戦う「地力」こそが次の目標。 

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岩渕健輔

岩渕健輔Kensuke Iwabuchi

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posted2015/11/28 10:50

岩渕健輔が語るラグビーW杯と7人制。世界と戦う「地力」こそが次の目標。<Number Web> photograph by AFLO

リオ五輪で行われる7人制ラグビーは、女子のラグビー競技としては五輪初の開催となる。

五輪では、代表選手選びは国籍に縛られる。

 ただし、無敗を貫いたままリオ五輪の出場を決めるというのは、日本代表にとっては、必ずクリアしなければならない課題でもありました。たしかに7人制の場合は番狂わせが多く発生しますが、男子7人制代表は今年の9月から10月にアジアで行われたサーキット大会において、3大会連続で無敗優勝を果たしていたからです。

 また来年のリオ五輪でメダルを狙い、2020年の東京オリンピックで金メダルを狙えるようにする上でも、アジアの戦いで苦杯を舐めることは許されませんでした。

 15人制同様、アジアのレベルと世界のレベルでは大きな差があります。ましてやオリンピックの場合は、日本の国籍を持っていない選手は、日本代表としてプレーできないという規約もあるため、代表の強化は15人制以上に難しい課題となります。このような制約を乗り越えて、100メートルを10秒台前半で走る選手を擁する強豪国に対抗できるようにするためには、アジアで躓いているわけにはいかないのです。

女子は男子以上に身体的なハンデが大きい。

 他方、女子の7人制代表(サクラセブンズ)は、アジアにおける立ち位置や試合の見所も男子代表と微妙に異なってきます。

 男子の場合は他のアジア諸国に対して、スピードやスタミナ、体格などの点でもアドバンテージがありますが、サクラセブンズの選手たちは、中国やカザフスタン代表の選手たちに比べると、スピードや体の大きさの点で圧倒的に劣るのが実情です。

 現に11月の7日から8日にかけて、やはり香港で行われたリオ五輪のアジア予選では、プール戦の初戦でカザフスタンに苦戦を強いられましたし(結果は7-5で辛勝)、同じくプール戦の最終戦で中国には5-12と敗れています。むろん、初めて五輪予選に臨むということで、気負いすぎた側面はあったでしょうが、スピードと体格に上回る相手に手を焼いたのは否めません。

 このような差は、世界に目をむけるとさらに顕著になります。たとえばオーストラリア代表は世界でトップ3に入る強豪ですが、平均身長では約10センチ、平均体重も10キロほど日本を上回るだけでなく、スピードでも日本を圧倒しています。

 試合に出場する豪州代表7人の選手の平均スピードそのものが、日本チームで一番足の速い選手を上回っているのです。もちろん中国やカザフスタン、香港などと比べた場合にはここまで極端に差は開かないにせよ、日本のサクラセブンズが不利な立場に置かれていることはたしかです。

【次ページ】 東京大会で優勝して、五輪出場を決める必要がある。

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