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混戦の秋華賞はコース適性が勝負。
トーセンビクトリーのセンスが光る?
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2015/10/17 08:00
データを見ると、ローズSの上位組は秋華賞でも上位に来るケースが多い。牝馬三冠最後のタイトルに輝くのはどの馬か。
好位からいけるトーセンビクトリーのセンス。
有力馬のなかで、前のレッツゴードンキをマークしながら、後ろも牽制できる絶好位で競馬をする可能性があるのは、武豊のトーセンビクトリー(父キングカメハメハ、栗東・角居勝彦厩舎)ではないか。7月の中京、8月の小倉と連勝して、ローズステークスでは3着。母が名牝トゥザヴィクトリーという良血が開花しようとしている。
前走では武が、ローズステークスの1、2着馬と瞬発力勝負をしてどうなるか、脚をはかったフシがある。やはり、ヨーイドンの競馬より、持って生まれたレースセンスの生きる、好位での競馬が向いているようだ。
そうした競馬をするには絶好と言える7番枠を引いた。ひとつ外の8番枠に入ったホワイトエレガンス(父クロフネ、美浦・国枝栄厩舎)も先行馬なので、それとの兼ね合いが難しいが、そこは世界の武豊、流れを見ながら自分の馬にとってのベストポジションを確保するだろう。
連対率が極めて高いローズS組にも有力馬が。
これらをまとめて差し切ってしまうだけの力があるのが、ローズステークスの1、2着馬だ。
過去10年の秋華賞で、ローズステークス組が連対しなかったのは1度しかない。その1度も、勝ったのがオークス以来のカワカミプリンセスだったので、実質的には「必ず連対する」と言っていい。
本番と直結するそのトライアルを勝ったのは、デビュー前から「名牝になる」と高く評価されていたタッチングスピーチ(父ディープインパクト、栗東・石坂正厩舎)だ。クリストフ・ルメールが、上がり3ハロン33秒9の瞬発力を引き出し、2着に1馬身半差をつける完勝だった。前走が500万下で、いきなり相手が強化されても難なく結果を出すクラスレスな強さがある。
ただ、木曜日に発表された「調教後の馬体重」で、前走より2キロ軽い458キロだったことが気になる。春から体を増やしながら走ってきた馬だけに、当日の馬体重をしっかりチェックしたい。