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相手が嫌がる「数字」を重視。
Number編集部が選ぶ侍ジャパン。
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph byNanae Suzuki
posted2015/10/08 10:30
トリプルスリーを達成した柳田悠岐と山田哲人。史上稀に見る成績を残した2人が並べば……と夢が膨らむ。
「相手にとって嫌な打者」を。
さて、このスタメン最大のポイントとなるのが、7番と9番に置いた2人の左打者です。この2人の選出理由は、「相手にとって嫌な打者」であること。これについては今季リーグトップの防御率2.24を記録した大谷翔平(日本ハム)が、ソフトバンクにだけ同6.58と打ち込まれたところから着想を得ました。
大谷はNumber887号に掲載されている石田雄太氏の連載「野球翔年」の最新インタビューで、ホークス打線の強さは柳田ら主軸以外の働きにあると語っています。詳しくは本誌をお読みいただくとして、とにかくエース投手を消耗させるのは、案外スラッガーよりもコツコツ当ててくる打者なのです。
今季の本塁打は中村晃が1本、中島にいたってはプロ通算0本と長打力はありません。しかし、中村晃は今季のパ・リーグで唯一の四球(66)が三振(47)を上回った打者。そして中島はもはや代名詞ともなった打席での粘りで、1打席あたりに投げさせた球数(P/PA)は12球団トップの4.32。彼らにはひたすら三塁線へのファールを繰り返してもらい、相手投手を疲弊させましょう。
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「プレミア12」はWBCと違って球数制限がありませんが、球数を費やしてぐったりしたところへ2巡目の秋山から連なる上位打線を迎えたら――。たとえ大谷級の投手でも、かなり厳しい戦いになるはずです。ちなみに、8番・嶋は昨季のP/PA両リーグ1位。かなり粘っこい下位打線になること、間違いなしです。
以上が、Number編集部が選んだ侍ジャパンのスタメンです。右左のジグザグ打線にしているのも、相手の投手起用に少しでも迷いを生じさせるため。上位は豪快に、下位は緻密に。対戦国に嫌われてしまうくらいの強さを、見せてもらいたいと思います。