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<2010年の立役者>
里崎智也が語る下克上の起こしかた。 

text by

渕貴之

渕貴之Takayuki Fuchi

PROFILE

photograph byTamon Matsuzono

posted2015/10/08 06:00

<2010年の立役者>里崎智也が語る下克上の起こしかた。<Number Web> photograph by Tamon Matsuzono
2010.11.8。「史上最大」と騒がれた下克上は、どうやって成し遂げられたのか。逆襲劇のきっかけを作った元捕手が、下位チームならではの方法論を明かす。

 勝ちたいと思っちゃダメなんです。相手をコマしてやろう、勝ったらラッキーくらいの感じで行くほうがいい。なにしろ1位になれなかったんですから。上位チームには負けられないプレッシャーがあるけど、下位チームは負けて当たり前。“ノーリスク・ハイリターン”なんです。

 ぼくらは2010年に「史上最大の下克上」を成し遂げて日本一になりましたが、あのチームは若くてノリがあって、実に下克上向きのメンバーでした。ただ、本当に選手全員が楽しんでいたかどうかは分かりません。もちろん、3位からでも日本一になろうとは全員が思っていますが、それを前面に出してはいけない。ぼくはキャッチャーでみんなに見られるポジションなので、あの時は気負いのなさが伝わるといいなと思ってプレーしてました。


 戦術的な面から下克上の方法を考えるなら、それは短期決戦の考え方と重なります。キャッチャー目線からすれば、まずはいやなバッターには徹底的に打たせないようにすること。フォアボールでもいいからヒットを避ける。'10年のファイナルステージなら(川崎)ムネリンと本多(雄一)の1、2番コンビを出さないのがノルマでした。

 でも、なにより重要なのは、エースが負けないことです。下から勝ち上がるチームはエースがずっと中4日の登板になるんですが、'10年は成瀬(善久)がファーストステージから日本シリーズを含めても1回も負けなかった。'07年のダルビッシュも'13年の(田中)マーくんも、結局CSでは負けてない。やっぱり彼らのようなスーパーなエースがいるチームは強いです。先発の駒数なんて関係ない。エースが2回投げて2回勝てば、あとはなんとかなる。

こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
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