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東京五輪の追加種目候補が決定!
「若者を取り込む」ことはできるか。 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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posted2015/10/04 10:50

東京五輪の追加種目候補が決定!「若者を取り込む」ことはできるか。<Number Web> photograph by AFLO

今回選出された5競技18種目を専門委が提案内容を吟味。来年8月にリオで開かれるIOC総会で正式決定する。

新競技も若者を取り込む施策の一環。

 話は2009年にさかのぼる。この年、IOCをはじめ国際競技連盟などスポーツ関係者がオリンピックの将来を考える「オリンピックコングレス」が15年ぶりに開催された。この会議で重要な議題となったのは若者のスポーツ離れだった。そのときの議論では、各種調査で浮上した若い世代のスポーツへの関心の低下が語られ、さらに、体を動かすこと自体、意欲が失われつつあることが指摘された。

 その原因としてあげられたのは、テレビやゲームの普及などであった。その分析が正しいかどうかはともかく、スポーツから遠ざかる若者の姿がデータとともに語られた。

 そして、いかにして彼らをスポーツにつなぎとめるかが課題となった。スポーツ離れが続けば、ひいてはオリンピック自体も先細りしかねない。先々を見据えて対策は講じられた。

 2010年から、14~18歳を対象とした「ユースオリンピック」が始まり、競技のみならず開催期間中に教育的なプログラムを設けたのはその1つだ。また、2014年のソチ五輪で増えた種目の中心にスノーボードがあったし、2018年の平昌五輪ではさらにビッグエアが加わるのも、若い世代の目をオリンピックに向けさせる、オリンピックに引き込む狙いにほかならない。

 そうした背景があり、IOCの意思を汲んで、今回の追加種目は決定した。

人数に上限があるので、野球は6カ国に。

 ただそれがために、混乱が生じている感があるのは否めない。追加種目における参加人数の上限は決められている。5競技としたことから、野球・ソフトボールは6カ国に減らすことになった。各大陸から出場する余地を残して割り振りを考えれば、野球の強豪国がそろう地域からの参加がかなり限られることになるし、6カ国で世界一を争うのは寂しさもつきまとうだろう。実際、野球側には不満があると聞く。スケートボードの場合、本来はローラースポーツとして種目を提案していたが、当初提案していた種目とは異なる種目での提案となった。

 既存の五輪競技団体の関係者からも、戸惑いの声を聞いた。そこにあったのは、外的要因に振り回されている(IOCの意思に配慮しすぎている)のではないか、幅を広げすぎることで大会全体のカラーが分かりにくくなるのではないか、これまで容易に枠が広がらなかったのを考え合わせても、オリンピックはどのような大会なのか、ぼんやりしてしまうのではないかという実感だった。それが一人や二人の声ではないことからすると、現場と運営の間に距離があることを強く感じさせる。

 そうした批判的な見方にも妥当性はある。

【次ページ】 採用されてからこそが、競技の正念場だ。

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