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東京五輪の追加種目候補が決定!
「若者を取り込む」ことはできるか。
posted2015/10/04 10:50
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
AFLO
9月28日、2020年東京五輪組織委員会の理事会で、9月末に国際オリンピック委員会(IOC)に提出する追加種目を決定した。
その結果、野球・ソフトボール、空手、ローラースポーツのスケートボード、スポーツクライミング、サーフィンの5競技18種目を推薦することになった。
候補として残っていたのは8競技。そのうち、ボウリング、スカッシュ、武術が落選となったが、追加種目の提案が可能となった頃に考えられていた当初の数から考えると、かなり多めに選んだことになる。
今回の経緯の中で、野球・ソフトボール、次いで空手が有力とされていた。野球・ソフトボールは日本で根強い支持があるとされ、空手は普及度と日本のメダル獲得可能性で強みがあると考えられていたからだ。
この2競技に加え、3つの競技が加わったのは、今日のオリンピック改革への流れがある。
3競技を選ぶ根拠となったそれぞれの競技への評価に、それが如実に表れている。
若者のスポーツ離れに対する危機感が。
スケートボードの場合、ストリートスポーツを代表する競技であり、若者へのアピールと人気面で大きな期待ができること。
スポーツクライミングは、アウトドアブームにおける代表的存在であること。
そしてサーフィンは、マリンスポーツを代表し、若者のライフスタイルに対して大きな影響を与え、トップ選手は流行を生み出す存在として若者の絶対的支持を得ていること。
つまりは若い世代へのアピール力を持つ競技を選んだということだ。
そもそも今回の最終選考にあたって、組織委員会が示していた要素としては、若者へのアピール、国民機運の向上、さらに公正で開かれた選考プロセスがあった。このうち、若者へのアピールという要素は、国際オリンピック委員会(IOC)の意思の反映である。
そこには、オリンピックの存在への危機感がある。