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福西崇史が語る格上相手の戦い方。
'05年コンフェデ杯ブラジル戦を例に――。
text by
福西崇史Takashi Fukunishi
photograph bySports Graphic Number
posted2015/10/02 14:45
「福西崇史の『考えるサッカー』」、配信は毎週月曜日の予定です。
相手のミスが増える状況を作る。
――番狂わせって「試合前の準備」と「試合をやっている時の手応え」両方が噛み合って初めて起きる可能性があるのかなあと思います。
福西:それは間違いない。例えば「相手はしっかりボールを回してくるし技術は高いけど、前から潰していこう」っていうゲームプランがハマれば、相手が動揺するよね。その動揺が個人からチーム全体に広がれば、ミスは増えてくる。逆にオレたちは“練習通りのプレー”ができているから、どんどんスムーズにプレーすることができるんだよね。
――ブラジル戦でも、同じような状況があったかと。
福西:事前ミーティングの時点で「ブラジルは後ろからじっくりとつないでくる」というのは頭に入ってたよ。あの試合に関しては茂野くんが言った、やっている時の手応えの方が大きかったかな。チーム全員で「相手はこのプレーを選択してくるだろう」ってのが分かり合えていたんだ。
個人の能力が高い相手にも対応しやすくなる。
――ほほう。
福西:もちろんカカやロナウジーニョ、ロビーニョとアドリアーノとかのアタッカーは強烈で、一瞬でも気を抜いたらやられてしまう危機感はあったよ。でも個人の能力が高いとはいえ、予測通りのプレーをしてきてくれるなら、こっち側も身体が反応しやすくなるんだ。
――予測通りのプレーというと……「ドリブルが得意なロビーニョは、どんどん仕掛けてくる」といったことですよね。
福西:予測がつきやすいのは相手の仕掛けだけじゃなくて、こっちが攻撃を仕掛ける時もあるんだ。例えば「このマーカーはけっこう食いついてくるタイプだ」ってのがあるよね。こっち側の戦略にハマって相手が慌てれば、その傾向がより出てくる。そうなってくれば、オレたちがボールを持っている時に裏をかいたプレーでズラしやすくなる。だから、試合自体はカウンターを狙う機会が多かったけど、カウンターを狙うタイミングも一致させやすい。それだけでなく、自分たちから仕掛ける攻撃が何回かできたんだよね。
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