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妥当な結果でも、大勝はやはり爽快。
アフガン戦の6点を生んだ“揺さぶり”。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byTakuya Sugiyama
posted2015/09/09 11:25
2得点を決め、代表通算得点2位の三浦知良にあと9点とした岡崎慎司。2列目のスタメン争いは激しいが、1トップは現状岡崎が鉄板の状態。彼の調子がチームをも左右する。
遠藤航の“一軍デビュー”も大きな収穫。
リオ五輪世代の遠藤航も“デビュー”を飾った。先の東アジアカップでハリルホジッチ監督の信頼をつかんだ22歳は、海外組を交えたチームで初めてピッチに立った。1対1の強さと前線への飛び出しを併せ持ち、空中戦も武器とする遠藤は、長谷部に代わってボランチで起用された。
長谷部と山口蛍のコンビが定着してきたダブルボランチには、攻撃のスイッチャーとなる柴崎岳もいる。彼ら3人だけでなく遠藤にも起用のめどが立てば、ボランチの組み合わせはさらに多彩となる。スコアや時間帯に応じた対応が、これまで以上に柔軟になる。
ロスタイムも合わせて10分強の出場だったが、遠藤にW杯予選の経験を積ませた意味は小さくない。結果を残しながら戦力を底上げしていくというふたつの目的を、アフガニスタン戦のハリルホジッチ監督は果たしたと言える。
妥当な結果でも、ゴールラッシュは爽快だ。
格下相手のゴールラッシュは、それが妥当だとしても爽快感を運んでくる。
ただ、カンボジア、アフガニスタンとの連戦で勝点6を積み上げるのは、あくまでも既定路線である。同じ8日にはプノンペンで、シリアがカンボジアを6-0で粉砕した。2勝1分けで勝点7の日本は、依然としてシリアの後塵を拝している。
シリアとの直接対決を迎える次のW杯予選は、ちょうど1カ月後の10月8日である。アフガニスタン戦はカンボジア戦を助走としたが、次のシリア戦は集合してすぐの試合だ。ゲームの難易度は上がる。
そのためにも、今週末から再開される欧州各国リーグで、海外組がどのようなプレーを見せていくのかが重要だ。所属クラブでコンスタントに出場できない選手が増えてしまうと、日本代表でのプレーにも影響が及ぶ。
2次予選のヤマ場となるシリア戦を、海外組はどのように迎えるのか。首位通過を懸けた大一番は、すでに始まっている。