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U-18で台頭する若き日本の才能。
5大会ぶりのU-20W杯出場を目指す。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2015/08/20 10:40
U-18世代ながらJ1の上位を争うガンバで出場機会を得ている堂安律はこの世代のエース格。アンダー世代で苦戦が続く日本の状況を覆すことができるか。
神戸の藤谷も将来日本のサイドバックを担う逸材?
3試合を通して、右サイドバックとしてプレーした藤谷壮(ヴィッセル神戸U-18)も個性がハッキリしていて面白いプレイヤーだ。厳しい暑さの中、歯を食いしばり、何度も右サイドを上下動する様は一際、目についた。
「運動量とスピードが持味なので、そこで勝負しなければという気持ちでやっています」
178センチ61キロと線は細いが、軽いステップワークで相手を抜き去り、一気にトップスピードに入って質の高いクロスを供給するプレーは、サイドバックとしての資質が高いことを示している。
「クロスをただ上げるだけじゃなく、どれだけタイミングよく中の選手に合わせられるかを意識しています。もちろん攻撃だけじゃなく、守備でも相手について自由にやらせないとか、しぼってスペースを埋めるとか。攻撃だけ守備だけじゃない、バランスのいいサイドバックを目指しています」
静岡ユース戦では、後半に右サイドから再三クロスを上げた。物足りなさを挙げるとすれば、相手が外をケアしている時に、カットインしてシュート、スルーパスという選択肢があっていいはずだが、そのプレーは残念ながら見ることができなかった。
「そこが課題です。センタリングを上げるだけじゃなく、カットインしてシュートというプレーの選択肢があればいいんですけど、左足がほとんど使えないんで……。やはり両足で蹴れるようになるとプレーの幅が広がると思う」
表情にはにきび痕が残る高校3年生だが、課題を克服していけば将来、日本の右サイドバックを担う一人になりそうだ。
別格の存在感を示したガンバの堂安。
U-18日本代表で別格の存在感を表していたのが堂安律(ガンバ大阪ユース)だ。ガンバ大阪では16歳11カ月のクラブ史上最年少でリーグ戦デビューを果たし、ドリブルやスルーパスなどが評価されて攻撃的なMFとして起用されている。だが、今代表ではボランチとしてプレーしている。
「個人的には前がいいですけど、ボランチでもドリブルとか前に行ってのスルーパスとか、仕掛けていく意識を持ってプレーできた。それが監督の狙いでもあると思うし、守備の選手として使われているわけじゃないと思うんで、いろんなアイデアを活かして自分が攻撃のアクセントをつけることができたらいいと考えています」