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U-18で台頭する若き日本の才能。
5大会ぶりのU-20W杯出場を目指す。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2015/08/20 10:40
U-18世代ながらJ1の上位を争うガンバで出場機会を得ている堂安律はこの世代のエース格。アンダー世代で苦戦が続く日本の状況を覆すことができるか。
堂安「自分のチームやという意識で」
静岡ユース戦は出番がなかったが、スペイン戦やクロアチア戦ではアグレッシブに前に出て攻撃に絡んでいた。ただ、前に出るとどうしても止まってプレーしてしまう。ボールを持つ技術が高いからでもあるが、動きながら周囲と連携して相手を崩していくというプレーも、レベルの高い相手や守備のブロックを敷いてくる相手には必要になってくる。
「そうですね。自分でもボランチで上がって動きながらプレーするのが課題やし、運動量もまだまだやと思います。ガンバでは大森(晃太郎)くんや阿部(浩之)くんとかに比べたら運動量は全然やし、監督の健太さんにも『差を見せろ』って言われたんで、もっと運動量を上げながら自分の良さを出していきたいと思います」
フィールドプレイヤーの中では最年少だが、ボランチとしてチームを牽引する姿勢は、すでに中心選手としての意識を垣間見ることができる。
「代表チームに年齢は関係ないと思う。それに井手口(陽介)くんが昨年の大会(U-19選手権ミャンマー2014)に出て、年下やけどバリバリやっていたのをテレビで見てましたし、それカッコええなぁって思っていたんです。チームに大将くんとかうまい人がたくさんいますけど、追い抜いていかないといけないと思っていますし、自分のチームやという意識でやっていきたいです」
4大会連続で出場できていないU-20W杯。
2007年カナダU-20W杯以来、ここ4大会連続でアジアの壁を突破できず、日本はU-20W杯に出場できていない。堂安自身も昨年、タイで行なわれたU-16選手権2014で敗れて世界大会出場を逃した。
「U-16の時は韓国に負けて、すごく悔しい思いをしました。今回は、アジアのチャンピオンになるだけです。それをみんな意識として持っているし、4大会連続で世界大会に出場できていないんでそれがいい意味でチームのモチベーションになっています」
堂安がエースとしてこのチームをどのように引っ張っていくのか。どんなプレーを見せてくれるのか、彼に掛かる期待は大きい。
3人以外にも目立つ選手がいた。
坂井大将(大分トリニータ)は、昨年ブラジルW杯のトレーニングパートナーとして貴重な経験を積んだ。このチームではキャプテンであり、ボランチとして小さな体を投げ出して守備をするなど泥臭いプレーを見せてくれているがサイドバック、トップ下などもこなせるユーティリティさが持味でもある。
FWの岸本武流(セレッソ大阪U-18)は、まだ荒っぽく、シュートの精度に課題が残るが、ゴールへ向かう姿勢はストライカーとしての気持ちが見えて頼もしかった。
10月に行なわれるU-19選手権2016予選まで1カ月半、急激に成長するのは難しいが各自がSBSカップで見えた課題をどれだけ克服していけるか。そして、チームとしてアジアでどのような戦いを見せてくれるのか。5大会ぶりのU-20W杯出場に向けて戦いがいよいよスタートする。