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鈴鹿8耐で日本勢の熱気が加速中。
カワサキ、ヤマハに加えホンダも!?
posted2015/08/01 10:40
text by
遠藤智Satoshi Endo
photograph by
Satoshi Endo
今年の鈴鹿8時間耐久レースは、久しぶりに見応えあるレースだった。
見応えあるという言葉はそのまま、世界の走りを見ることが出来た、という言葉に置き換えてもいいだろう。
引退してから3年が経つも、1年に何度かホンダのMotoGPマシンのテストを続けている、まだ29歳の元世界チャンピオンのストーナーの走りを見ることが出来たし、MotoGPクラスの中堅で、ともに24歳のエスパルガロ弟とスミスも出場した。
2003年を最後にグランプリが開催されていない鈴鹿サーキットで、世界のトップライダーたちがどんな走りを見せてくれるのかというファンの期待に、3人の世界のトップライダーたちが、さすがの走りで応えてくれたのだ。
ストーナーは、目下8耐2連勝中でホンダのプライベートチームNo.1の「ムサシ・RT・ハルクプロ」から出場した。
ホンダの要請で出場したまさに“優勝請負人”だったが、ホンダの一番の狙いはむしろ「8耐を盛り上げよう」というものだった。
一方のエスパルガロ弟とスミスは、13年ぶりにワークスチームを復活させた「ヤマハ・ファクトリー・レーシング」が必勝を期して呼び寄せた。
元世界チャンピオンの参戦で8耐の「格」が上がった。
ストーナーの参戦が決まったことで鈴鹿8耐のステータスがぐっとあがったことは間違いなく、ヤマハのふたりの現役MotoGPライダーにとっても、「ストーナーが出場するのなら」という思いがあったのだろう。ヤマハの出場要請に対して、即答で「イエス」と答えたのだそうだ。
ムサシ・RT・ハルクプロは、ホンダが8耐のワークス参戦を取りやめた'08年以降、ホンダのサポートを受けながら3勝を挙げている名門。
マシンのベースは'09年に発表されたホンダCBR1000RRと古いが、過去7年で6勝を挙げた実績がある。
ストーナーのパートナーには、高橋巧とファン・デル・マークが選ばれた。高橋巧は全日本ロードのホンダのエースで、ファン・デル・マークはスーパーバイク世界選手権で活躍している。