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ホームラン・ダービーと若手の台頭。
~新ルールでよりエキサイティングに~ 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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posted2015/07/18 10:40

ホームラン・ダービーと若手の台頭。~新ルールでよりエキサイティングに~<Number Web> photograph by Getty Images

最後は地元の英雄フレイジャーに屈したが、マチャド、ドナルドソンを下して見事2位に輝いたドジャースのジョク・ピーダーソン。

 MLBオールスターが終わった。マイク・トラウトが2年連続MVPに輝き、私の期待していたマニー・マチャドやブライアン・ドージャーが見せ場を作り、ジェイコブ・デグロムやアロルディス・チャップマンの剛腕ぶりも眼を楽しませてくれた。

 もうひとつの収穫は、前夜に行われたホームラン・ダービーが、いつになく盛り上がったことだ。最大の原因は、勝ち抜きのフォーマットが変わったことだ。このフォーマット変更で、いままでは退屈な花相撲にすぎなかったイヴェントが、一気にスリリングなガチンコ勝負になった。

 新ルールの要諦は、4分以内(飛距離によって30秒のボーナスタイムが与えられる)に何本のホームランを打てるか、というところにある。いままでは、本塁打以外の打球(ファウルや空振りを含む)をアウトとし、10アウトに達する前に何本のホームランを打てるかを競い合っていた。ただし、見送りは自由。

 ということは、打ちごろの球が来るまで、打者が7球も8球も見送るケースが出てくる。これではダレる。時間は長くなるし、10アウトという許容範囲が広すぎるため、意外な大差がつくことも珍しくなかった。

 そこでフォーマットが変えられた。娯楽性や緊迫感を高めるにはどうすればよいか。こういう話になると、アメリカ人は俄然、熱心に知恵を絞る。

両リーグから4人ずつ出た8人が、4組に分かれて戦う。

 出場する打者は、ナ・リーグから4人、ア・リーグから4人の計8人である(スタントン、ハーパー、トラウトらは出なかった)。これを、今季の本塁打数によって、1番から8番までに振り分ける。たとえば、ア・リーグ1番(全体1番)のアルバート・プーホルス(26本)は、ナ・リーグ4番(全体8番)のクリス・ブライアント(12本)と第1ラウンドで対戦する。他の3組はつぎのとおりだ。

ジョク・ピーダーソン(NL2番=全体4番)対マニー・マチャド(AL3番=全体5番)
ジョシュ・ドナルドソン(AL2番=全体3番)対アンソニー・リゾ(NL3番=全体6番)
トッド・フレイジャー(NL1番=全体2番)対プリンス・フィルダー(AL4番=全体7番)

 これが第1ラウンドの4カードで、それぞれの組み合わせを勝ち抜いた選手が第2ラウンドに進む。先攻は順位の低い選手で、彼が4分間に打った本塁打数を後攻の選手が超えれば、その瞬間に勝負が決まる。制限時間内に届かない場合は、先攻選手の勝利。

 というわけで、第1ラウンドを勝ち抜いたのは、左のブロックではプーホルスとピーダーソン、右のブロックではドナルドソンとフレイジャーだった。順当といえば順当な結果だが、フレイジャー対フィルダーなどは14対13の好勝負だ。シーズン中の低打率(2割3分)が「オールスターに値するか」と物議を醸したピーダーソンも、13対12とマチャドをうっちゃり、ヤング対決の勝者となった。

【次ページ】 8人中4人が25歳以下、と若手の躍進が目立つ年に。

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