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U-22の「練習の虫」が開花まで間近!
中島翔哉の“得意パターン”発揮は?
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byAFLO
posted2015/06/30 10:40
日本代表では珍しくドリブルを武器とする中島翔哉。J1初ゴールも6月に決め、追い風は吹き始めている。
チームの練習を午前で終え、7時まで練習。
自分の課題を冷静に判断できるからこそ、それを練習に反映できるのだが、加えて中島の場合、その練習量が尋常ではない。富山に期限付き移籍をした際、午前中にチームの練習が終わるとそのまま居残りで練習を始め、午後7時まで個人練習をしていたという。
「富山では試合に出ながら1日5、6時間くらい個人練習していました。スタッフが手伝ってくれたり、チームメイトが参加してくれたこともありましたけど、基本はひとり。メニューはいろいろです。いろんなパターンのシュート練習をしたり、フィジカルではスピードを落とさないように下半身を鍛えたり。全然、苦にならなかったです」
その豊富な練習量が彼の自信の裏付けとなっている。リオ五輪の1次予選は高温多湿で中1日のハードな日程だったが、中島は「サッカーは試合をやった方が楽しいですし、体力的には普段から試合よりも厳しい練習をやっているから大丈夫です」と、涼しい顔でプレーしていたのだ。実際、他の選手とは動きが明らかに異なり、疲れを知らないサイボーグのように走り回っていた。
石川直宏「これからもっとすごくなる」
FC東京でも、富山時代ほどではないが個人練習は続けている。試合になかなか出場できず、その成果を確かめる機会こそ少ないのだが、その結果が思わぬところで出たことがあった。6月半ば、横浜F・マリノスとの練習試合でスタメン出場した中島は、左サイドから豪快なゴールを決めたのである。
「J1のチームと試合をするのは個人的に久々だったんですが、サイドからうまく仕掛けられたし、ゴールも取れたのでそこそこできたと思います。
フィジカルを含めて個人練習は今も続けています。それが今日のようなパフォーマンスに繋がったんで、もっと努力していいプレイヤーになりたいですね」
3月のリオ五輪1次予選以来、久しぶりに見た姿は、一目で分かるほど体が大きくなっていた。とりわけ下半身が鍛えられてドッシリと安定感が増し、相手に当てられても体がブレずにシュートが打てるようになっていた。
石川直宏も今後に太鼓判を押す。
「翔哉とはよく話をするし、居残組でよく一緒に練習をしていた。練習試合でゴールを決めたようにシュートがうまいし、自分の得意のパターンを持っている。とにかく、うまくなることへの執着心がスゴイ。しかもよく練習しているし、妥協しない。これから試合に出ていければ、もっとすごくなると思う」