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「縦に速い攻撃」を勘違いしている?
福西崇史が語る、ハリルJの課題とは。 

text by

細江克弥

細江克弥Katsuya Hosoe

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2015/06/11 11:25

「縦に速い攻撃」を勘違いしている?福西崇史が語る、ハリルJの課題とは。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

新体制でまだ2試合しか経験していない日本代表。6月のW杯予選、そして8月の東アジアカップと、これから真価が問われていくことになる。

日本代表にとっての次のステップとは?

 トップダウンに従順な日本人は、指揮官が示す戦術に対するリアクションが速い。若く経験の浅い選手が出場し、“縦一辺倒”になったチュニジア戦の前半は、良くも悪くも日本人らしさが見て取れる結果となった。

「代表に選ばれるためには監督が掲げるサッカーを体現しないといけないわけですから、ある程度は仕方がないことだと思うし、若手選手がそれを表現しようとする姿勢は決して悪くない。ただ、本番になれば話は別。試合に勝つこと、ゴールを奪うことを大前提とすると、その瞬間の判断で最適な判断を下せる選手が、最終的にはチームに必要な戦力となりますよね。経験のある本田や香川は、それができたから試合の流れを変えてゴールを奪うことができた」

「縦に速い攻撃」は「最も効率的に攻める」ための選択肢に過ぎない。それをピッチで表現できるかどうかが、ハリルホジッチ率いる日本代表にとっての次のステップとなる。このチームにとって初の“本番”であるシンガポール戦では、そうした意味においての「内容」が問われる。

「サッカーは戦術を披露する場ではありません。ただ単に、縦に速い攻撃を実現する場ではない。目的はあくまでゴールであって、勝利ですよね。それは、代表チームを率いるような監督なら、誰もが分かっているはず。だからもし、若手選手が“縦に急がない攻撃”を選択したとしても、それがその状況における最適な判断だとしたら、監督は『縦に行け!』とは言わないと思いますよ。むしろ、勇気を持ってその判断を下せる力があるかどうか。もし自分が監督だったら、選手のそういう部分を見極めたいですね」

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ヴァイッド・ハリルホジッチ

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