オリンピックへの道BACK NUMBER
野球に空手、ボウリング、綱引き……。
東京五輪で新採用される競技はどれ!?
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byNaoya Sanuki
posted2015/05/31 10:00
多くの流派やルールがあるとみなされている空手。世界中で統一したルールの下で戦う性別を問わないスポーツとしてどこまで世界にアピールできるか?
マイナー競技の間にも実施をめぐる綱引きが。
動きを見せるのはこの2競技ばかりではない。
例えばボウリングは署名活動のほか、今年1月には記者会見を開催。世界ユース選手権金メダリストでベストスコア300、中学3年生(当時)の泉宗心音を出席させた。「顔」となるアスリートを押し出しての展開である。
ユニークなのは、日本ボウリング協会の登録選手以外も五輪代表選考大会に参加できることをうたっている点だ。誰もがオリンピック出場を狙うチャンスがあるのは、魅力的だ。
これまでも有力候補と言われながら五輪採用がかなわなかったスカッシュは、世界60カ国からの動画のメッセージを配信。さらに参加選手数、競技会場プランなどもすでに作成済みだ。
ビリヤードや綱引きもまた、手をあげている。ビリヤードは用具などの関連会社も活動に積極的に協力。綱引きは、かつて五輪種目であった。復活すれば100年ぶりの実施となる。
柔道団体戦など既存競技に新種目採用の目も。
駆け足でいくつかの競技団体を見てきた。それぞれにアピールの仕方が異なるのも見えてくる。
先に2つの基準について記したが、やはり、有力なのは野球・ソフトボールになる。なぜなら、オリンピックもまた巨大なビジネスであるからだ。野球・ソフトボールが実施されれば、数万人の観客動員が見込まれるし、テレビ放送の視聴率、広告関連などでも強みを持つ。ただ、予想は予想に過ぎない。
また、これらの競技団体から追加競技・種目が提案されるとともに、既存の競技からも、新たな種目が加わる可能性がある。例えば団体戦採用を目指す柔道、ミックスダブルスの追加を望む卓球などだ。それら五輪競技団体の運動の成否も、大会の上限人数が定められているだけに、今後の展開に絡んでくることがあるかもしれない。逆に削られる既存種目がないとも限らない。
いずれにせよ、ここからどのように進んでいくのか、注目される。