オリンピックへの道BACK NUMBER
野球に空手、ボウリング、綱引き……。
東京五輪で新採用される競技はどれ!?
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byNaoya Sanuki
posted2015/05/31 10:00
多くの流派やルールがあるとみなされている空手。世界中で統一したルールの下で戦う性別を問わないスポーツとしてどこまで世界にアピールできるか?
復活に向けて具体策を打ち出す野球とソフト。
これらすべてが立候補するわけではない。熱心に動いてきた競技として、まずは野球・ソフトボールがある。
北京五輪を最後に、五輪種目から外れた両競技は、2016年のリオデジャネイロ五輪でも認められなかったあと、復活へと積極的に動いてきた。まず、男子=野球、女子=ソフトボールの1競技であるとし、世界野球ソフトボール連盟を創設。オリンピック向けに、野球は7イニング制として試合時間の短縮を図るなど具体的な提案も行なってきた。一度はレスリングに敗れ、2020年の東京五輪採用はならなかったが、今回、チャンスが再び訪れた。
「開催会場がすでにあり負担が小さい」点を訴えるほか、今年から始まる国際大会「プレミア12」の2019年大会を五輪出場権をかけた大会とすることを決めるなど、実質、具体的な面を押し出してアピールしている。長い時間をかけて動いてきたからこそかもしれない。
多くの競技人口を抱える空手もPR活動に注力。
野球に次いで、有力視されているのが空手だ。
実は今回の選考において、大きくは2つの基準がある。
まずIOCには、若い世代の人気、世界的な普及度を重視したいという思いがある。
また、応募書類には、日本における競技人口、大会の実施に関する質問が含まれているという。つまりは、日本での競技の位置づけもまた、重視されるということだ。
空手は、国内の競技人口も他の候補競技と比べても多い部類に入るし、世界でも広く行なわれている。
世界空手連盟会長が今年1月、他の競技団体に先駆けて来日してアピールを図ったことに熱意を感じる。女性空手家を集めてのイベントを開催、駅のポスターや電車内の液晶画面でのCMなど告知にも余念がない。資金の潤沢さもうかがわせる。