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骨盤を前傾、軸足を抜くトラップ!?
動き方を究める「中西塾」に潜入。 

text by

木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2015/05/25 10:30

骨盤を前傾、軸足を抜くトラップ!?動き方を究める「中西塾」に潜入。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

生物学を専門とする名誉教授を父にもつ中西は、昨年から桐蔭横浜大学スポーツ健康政策学部の客員教授に就任。骨や筋肉で身体全体がつながっているという観点から、新たな指導法に取り組んでいる。

「うまくバックステップを踏むと、自然と骨盤が前傾するんですよ」

中西哲生(スポーツジャーナリスト、元プロサッカー選手)

 5月中旬、都内某所――。

 フットサル場のネットをくぐると、見たこともないウォーミングアップが目に飛び込んできた。

「足首を曲げたまま、少し腰を落としてゆっくりバックステップしてみよう! 膝が内側を向いていたらダメ。手首を柔らかくしたまま肘を締めて、呼吸は鼻から!」

 中西哲生が声を出しながら模範を示すと、選手たちがそれに続く。

 中腰で後ろずさりする様は、まるで武道でも始めるかのような雰囲気だ。だが、間違いなくそこにいるのは名が知れたサッカー選手たちなのである。

 当然その動きには、サッカーがうまくなるための明確な狙いがある。

大反響の指導論の続編として、「中西塾」を見学!

 中西は給水のタイミングでこう説明した。

「うまくバックステップを踏むと、自然と骨盤が前傾するんですよ。骨盤が後傾すると股関節の可動域が減って動きが硬くなってしまいますが、前傾すれば前後左右に足を踏み出せる。動きのいい選手というのは、これを教えられなくてもできていて、たとえばドルトムントの試合を見ると、調子がいいときの香川真司はうまくバックステップを踏んでいるのがわかると思います」

 昨年12月、NumberWebにおいて中西の指導論を取り上げたところ、大きな反響があった。指導の視点が新しいだけでなく、日本サッカーに足りないものを補う可能性を多くの人に感じさせたからだろう。

 その続編の取材として、今回、「中西塾」を見学することが許された。やはり実際のトレーニングを目にすると、より細かく動きの原理を理解することができた。

【次ページ】 足からボールが離れない「軸足ドリブル」。

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中西哲生

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