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海外組の仕事は「違い」を出すこと。
南野拓実、久保裕也を襲う連係不足。 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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posted2015/03/30 16:30

海外組の仕事は「違い」を出すこと。南野拓実、久保裕也を襲う連係不足。<Number Web> photograph by AFLO

チュニジア戦で2ゴールを決めた中島翔哉(左)と、海外組の「違い」を見せられなかった南野拓実。世代最高の才能と言われる男の本領はいつ発揮されるのか。

南野と中島の好相性はいい材料だが……。

 南野は初戦のマカオ戦で後半18分から投入して試運転をさせ、暑さとピッチコンディションに慣れさせた。南野は期待に応えてアシストとゴールを決め、手倉森監督はベトナム戦への確かな手応えを感じたことだろう。一方久保も、チームから2試合限定の条件が出されたためマカオ戦は休ませたものの、暑熱対策に万全を期してベトナム戦に備えた。

 しかし、ベトナム戦に投入された2人は、手倉森監督が望んだ「違い」を見せるにはいたらなかった。

 希望としては、南野と中島の好相性を感じられたことだろうか。先制点も南野との関係性の中から中島が決めたものだった。だが全体的には単発のプレーが多く、なかなか自分がイメージするポジションでボールをもらえず、本来の躍動感からは程遠かったといわざるを得ない。

「前から知っている仲間ですけど、初めて一緒にプレーした選手もいてやはりコンビネーションが少し難しい部分があった。練習と試合では違うんで……」

 試合後に、南野は急造コンビネーションの限界をそう語っていた。

南野以上に困惑していた久保の孤立。

 久保は、明らかに困惑していた。

 手数をかけずにゴールを狙ったり裏を取るのが得意な選手だが、周囲が反応せず、ボールが出てこない。欲しいタイミングでボールが出てこないので自ら動き回るようになり、ゴール前から離れてボールをもらいに行くシーンが増えてしまい、試合から消えている時間が多かった。

「裏を狙おうと思ったけど、どうしても足元ばかりになってしまった。イメージも1タッチ、2タッチでのプレーを考えていたけど、うまくいかなかった。ゴール前にいれなかったし、シュートも打てていない。今日は何もできなかった」

 試合後、久保は厳しい表情でそう語った。

 海外組として「違い」を見せつけるはずが、後半10分に自分と交代した鈴木武蔵の存在感が際立つ格好になった。DFの背後を突き、深みを作ってチャンスを作り、いいポジションでFKをもらうなど、久保とは対照的に効果的なプレーを見せたのだ。ただ、それは鈴木自身の動きが良かったことに加え、周囲の選手が鈴木のプレーを理解していることも大きかった。

【次ページ】 合流直後の海外組がフィットしないのは以前から。

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