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<ラグビーW杯に懸ける男たち>
畠山健介 「ジャパンの心臓を守る男」
posted2015/07/13 11:50
text by
永田洋光Hiromitsu Nagata
photograph by
Tadayuki Minamoto
最前線で身体を張り続け、手にしたキャップは、はや60。
ジャパンの躍進を支えるフォワードのキーマンが、
スクラムへのこだわりと、W杯勝利への覚悟を語った。
ジャパンの躍進を支えるフォワードのキーマンが、
スクラムへのこだわりと、W杯勝利への覚悟を語った。
スクラムとは何か。ラグビーという競技を人体に例えれば、それは心臓である。
心臓が血液を送り出し、体を巡った血液がふたたび心臓に戻ってまた各所へ運ばれるように、ラグビーでは、スクラムから送り出されたボールがいくたの手を経てフィールドを巡り、ふたたび敵味方16人が塊となって力を競うスクラムに戻ってくる。
だから、「心臓」なのである。
畠山健介。宮城県生まれの29歳は日本代表でこの心臓を支える重要なポジション、右プロップを務める。背番号は3。スクラムの最前列右端で頭から首まで左右両側を相手に挟み込まれ、前後から押し寄せる圧力を伸ばした背筋(せすじ)に通して放出し、ときに相手を押し込み、ときには息もできないほどの重圧にうめき声をかみ殺す。いわば、世界を相手に「日本の心臓」を守っているのが畠山だ。前回のW杯にも出場し、日本代表キャップは60を数える。