岩渕健輔、ラグビーW杯と東京五輪のためにBACK NUMBER
ラグビーは“わかりやすい”競技!?
岩渕健輔が語る「原点回帰」とは。
posted2015/02/04 10:30
text by
岩渕健輔Kensuke Iwabuchi
photograph by
AFLO
非常に単純でわかりやすく、そして親しみやすいスポーツ。それが私のラグビーに対する印象です。
こんなふうに書くと、読者の皆さんの中には、首を傾げられる方もいらっしゃるかもしれません。日本においてラグビーは「わかりにくいスポーツ」「ルールが難しそうでとっつきにくい競技」として捉えられてきたからです。
もちろんラグビーに、わかりにくいスポーツという印象を与えてしまう要素が全くないわけではありません。
まずよく挙がるのは、1チームに15人も選手がいるだけでなく、スクラムやモールラックと呼ばれる密集戦があるために、ごちゃごちゃしていて試合が観にくい、ボールがどこにあるのかが把握しにくいという意見です。
ルールや用語に馴染みがないという声にも、根強いものがあります。ラグビーには、前にボールを落としてはならない、前にボールを投げてはならない、タックルを受けて倒れた際には、すぐにボールを放さなければならないといった独特なルールが設けられているからです。
ラグビーは、本当に難しい競技なのか?
また他の競技に比べれば、ルール自体が頻繁に変わってきたのも事実です。たとえばタッチラインからボールを投げ入れるラインアウトでは、組体操のように選手を持ち上げて、ボールを受け取ることが許されています。かつて、このようなプレーは認められていませんでした。
もっと基本的なルールでは、得点のシステムも変わっています。昔はトライを決めれば3点を与えられましたが、その後は4点になり、今では5点が与えられます。
しかし、本当にラグビーは観戦するのが難しい競技なのでしょうか? ラグビーがわかりにくいスポーツというイメージで捉えられているのは、ルールの細かさに由来するものなのでしょうか?