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ホンダだけがシーズン中の開発不可!?
規則の抜け道から始まった場外乱戦。
posted2015/01/18 11:00
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph by
AFLO
年が明け、F1は2月1日に解禁されるスペイン・ヘレスでの合同テストへ向けた準備に追われている。2008年以来7年ぶりにF1にカムバックするホンダは、その中でももっとも忙しい時期を過ごしていることだろう。
なぜなら、パワーユニットの開発が凍結されるホモロゲーション期限の2月28日が、約1カ月後に迫っているからである。
ところが、そんなホンダの前に、あまり歓迎できないニュースが舞い込んできた。ライバルメーカーがレギュレーションの抜け道を見つけたというのだ。
発端は、昨年の最終戦アブダビGPで行なわれたFIAとチームの会合において、フェラーリのテクニカルディレクター、ジェイムズ・アリソンが、ある抜け道をレギュレーションに見つけ出したことだった。アリソンはその席で「2014年に参戦しているエンジンメーカーに対して、2015年用パワーユニットのホモロゲーション(認証)期限がレギュレーションに明記されていない」と指摘したのだ。
FIAはその事実を認め、「2014年に参戦していたメーカーは、2015年のシーズンが開始してからもパワーユニットの開発を行なうことが可能である」という旨の通知書を全チームに送ったのである。
ホンダは期限があるが、他の3メーカーは自由に開発可能。
そもそも開発が規制されているのは、主に開発にかかるコストを削減してパワーユニットを安価にし、小規模なチームでも妥当な価格でパワーユニットを供給してもらえるようにするためだ。
現在のレギュレーションでは、信頼性、コスト、安全性に関わる項目を除き、パワーユニットの開発をシーズン中に行なうことは認められていない。パフォーマンス面の開発は次シーズンのパワーユニットに対して行なわれ、本来その期限は翌年の2月28日となっているはずだった。
つまり、2015年に参戦するホンダには2月28日という期限があるのに対して、メルセデス、ルノー、フェラーリの3メーカーにはホモロゲーション期限がなく、2月28日以降も自由に開発できることになったのだ。