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疑問視された協会の「自浄能力」。
日本バスケット界の混迷を考える。
posted2014/12/07 10:50
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
AFLO
11月26日、国際バスケットボール連盟(FIBA)が、日本バスケットボール協会を資格停止にすると発表した。結果、日本は男女すべての年代の代表チームが親善試合も含め、国際試合を禁じられた。
来年はリオデジャネイロ五輪のアジア予選を控えているが、FIBAは「(処分の)期間は未定」としている。このまま処分が解けなければ、五輪予選に出られない、つまり試合することなくオリンピック出場を逃すという事態に陥る。
それだけにこの件は大きく報じられることになったが、処分発表から1週間ほどが過ぎた今、あらためて問題の大きさが伝わってくる。
今回の処分へと至った理由は、FIBAから求められていた要求に応えられなかったことにある。要求とは、国内に「ナショナルバスケットボールリーグ(NBL)」と「bjリーグ」の2つのリーグが存在する状態を解消し統一するための具体的な改革案などを10月末までに提出する、というものだった。しかし、日本バスケットボール協会は改革案を提示することができず処分を受けることになった。
FIBAが不信感を表明した、日本協会の能力。
FIBAからの要求は、決して性急だったわけではない。すくなくとも2009年から、日本協会は指摘を受けている。
FIBAは2つのリーグの統一にとどまらず、日本バスケットボール協会の統治能力の改善策を求めていた。今思えば、むしろそこに根本があったのではないだろうか。
実際、それは要求の中に含まれていた案件であり、協会に2つのリーグをリードしていく能力があれば、統一へと動かしていくことができていたはずである。つまりは、協会の能力へのFIBAの不信感であるとも言える。
それを裏付けるのは、FIBAの通告文書にあった「改革チームを設立し改革を主導していく」という文章だ。これはFIBAが選んだメンバーによって、日本バスケットボール協会を改革していく、ひいては日本のバスケットボール界を変えていくことを意味する。