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疑問視された協会の「自浄能力」。
日本バスケット界の混迷を考える。 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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posted2014/12/07 10:50

疑問視された協会の「自浄能力」。日本バスケット界の混迷を考える。<Number Web> photograph by AFLO

辞任した前会長の後を受け、会長代行を務める丸尾充氏。すでに他の理事らとともに総辞職の意向を示しており、混乱が収束する気配は見えない。

過去にも、何度も処分を受けてきた日本協会。

 10月23日に辞任した深津泰彦会長のあとを受けて、現在は丸尾充氏が会長代行を務めているが、新会長もFIBAが認めた人物でなければいけないとしている。国際試合が禁じられたこと以上に、組織への介入の方がより異例の事態と言えるかもしれない。

 この問題の深刻さは、協会の自浄作用、独立性に関わる点だ。

 実は日本バスケットボール協会は、2008年にも重い処分が下されている。そのときは国際バスケットボール連盟ではなく、日本オリンピック委員会(JOC)からの処分だった。

 そのときの経緯はこうだ。

 2006年、日本で世界選手権が開催された。その大会で13億円におよぶ赤字を出した責任を問う声が高まり、内部対立が続いていたのだ。一連の騒動の中には、刑事告訴に及ぶ場面もあった。

 JOCも調整に乗り出したが混乱は一向に止まず、2008年、ついにJOCから無期限資格停止処分が下された。後に処分は解かれたが、この件に限らず組織的な問題が断続的に起きてきたという過去がある。

 当時はJOCが、そして今回はFIBAが介入することになる。

独立性、自立性はあるのか。

 丸尾充会長代行は、こうコメントしている。

「第三者の意見は貴重なのでぜひ進展させたい」

 また、協会関係者からは「これでいい方向に行ってほしいですね。改革に期待したいです」という言葉を聞いた。

 日本のバスケットボール界の行く末について責任を負う立場であるにもかかわらず、独立した、自立した組織であるという意識は、そこにうかがえない。

【次ページ】 組織が機能しなければ、現場がダメージを受ける。

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